2019年8月20日(火)

OPEC、減産延長9カ月で合意 ロシアも同調へ

2019/7/1 22:47 (2019/7/2 0:13更新)
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6月29日に会談したロシアのプーチン大統領(右)とサウジアラビアのムハンマド皇太子(大阪)=ロイター

6月29日に会談したロシアのプーチン大統領(右)とサウジアラビアのムハンマド皇太子(大阪)=ロイター

【ウィーン=岐部秀光】石油輸出国機構(OPEC)は1日、ウィーンで定例総会を開いた。ロイター通信によると、6月末に期限が切れた協調減産を2020年3月末まで9カ月延長することで合意した。OPEC主要国のサウジアラビアと減産継続ですでに合意しているロシアも同調する見通しだ。

イランと米国の対立が深まり、中東産の原油供給を巡る心理的な不安が価格を押し上げる一方、世界経済の減速による需要の後退への懸念が根強い。このためOPEC加盟国は今回の延長期間を6カ月ではなく9カ月とするのが適当と判断したとみられる。

OPECと非加盟国は7月1日に共同閣僚監視委員会を開いた。同日のOPEC定例総会に続き、2日にはロシアなど非加盟国を含めた「OPECプラス」の会合を開いて減産継続へ同調を呼びかける見通しだ。

OPEC盟主サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は1日、総会に先立ち、加盟国の大半が9カ月の減産延長に同意していると述べていた。ロシアのノワク・エネルギー相も9カ月を支持すると発言している。

減産幅については、2018年10月をベースにOPECが日量で80万バレル、非加盟国が40万バレル負担する現行の枠組みを維持する案が有力だ。

ロシアのプーチン大統領は6月29日に20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)の閉幕後の記者会見で、サウジのムハンマド皇太子と会談して「減産の延長で合意した」と表明。サウジとロシアによる首脳会談での合意は、OPECプラスの枠組みを両国が主導する構図を一段と鮮明にした。

ただ、産油国の財政事情や期待する相場の水準はそれぞれ異なっており、協調減産が機能しないと足並みの乱れが露呈する可能性もある。イランのザンギャネ石油相は1日、記者団に対し、今回の減産方針の決定のプロセスについて不満を表明した。

市場では世界経済の行方に弱気の見方が広がる。トランプ米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は大阪で開いた首脳会談で貿易協議の再開を決めた。しかし、各地で広がる貿易戦争が世界経済を減速させることへの懸念は消えない。

英国の欧州連合(EU)離脱を巡る混乱の長期化やドイツ経済の不振も不安に拍車をかける。貿易の停滞は、船舶や航空機の燃料需要の後退として原油価格の下落圧力となる。

国際指標の北海ブレント先物は18年10月に1バレル85ドル程度をつけたが、同年末に50ドル近辺まで大幅に下がった。協調減産の効果で19年4月に75ドルまで戻したが、その後再び下落傾向を強めた。イラン問題でやや反発したが、足元では70ドルを下回る水準で推移している。

イランを巡る地政学リスクが価格を押し上げる効果よりも、需要後退懸念による価格下押し圧力の方が大きくなっていると、産油国は受け止めている。

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