人材受け入れへ特定技能で覚書 日ベトナム 防衛装備品移転で交渉入り

安倍晋三首相は1日、ベトナムのグエン・スアン・フック首相と首相官邸で会談した。「日本には33万人以上のベトナム人が滞在している。両国の友好協力の拡大に大きな財産だ」と人的交流拡大に期待感を示した。両首脳は外国人の新在留資格「特定技能」制度に関する覚書の署名式に立ち会った。防衛装備品・技術移転協定の締結交渉入りでも一致した。
特定技能に関する覚書は「円滑かつ適正な送り出し・受け入れを確保するため必要、有益な情報を速やかに共有する」と明記した。外国人労働者を保護し、特定技能の制度を適切に運用することを目的とする。
ベトナムは特定技能で受け入れる外国人材の最大の送り出し国になる可能性がある。2018年6月時点で技能実習生約28万6000人のうち47%がベトナム人だった。今回の首脳合意を踏まえ、政府は悪質な仲介業者の排除など日本で生活しやすい環境を整える。
日本とベトナムが受刑者を相互に移送できるようにする2国間条約も結んだ。母国で服役する機会を与え、受刑者の社会復帰を円滑にする。
20年に東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国を務めるベトナムとパートナーシップの前進を確認した。中国が軍事拠点化を進める南シナ海の領有権問題や北朝鮮問題も議論した。

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