2019年8月24日(土)

路線価上昇率23.5%、栄が首位 開発活況で05年以降初

2019/7/1 16:06
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名古屋市の繁華街、栄の地価が上がっている。国税庁が1日発表した2019年分の愛知、岐阜、三重県の路線価によると、栄が前年に比べ23.5%上がった。上昇率は管内の全調査地点で最も高く、統計が比較できる05年以降で初の首位となった。1平方メートル当たりの最高路線価も24年ぶりに800万円の大台に乗せた。相次ぐ再開発が地価を押し上げている。

相次ぐ再開発が地価を押し上げている(名古屋市中区の三越本店前)

路線価は主要道路に面した土地の評価額で、相続税や贈与税を算定する基準になる。

最高の伸びを記録したのは大津通り沿いの名古屋三越栄本店前(名古屋市中区栄3丁目)で路線価は808万円だった。23.5%となった上昇率は前年(13.3%)から大幅に拡大し、全国でも上位だった。老舗百貨店「丸栄」跡地に建設予定の商業施設や、中日ビルの建て替えなど開発案件が多い。大丸松坂屋と名古屋市も栄広場の再開発を計画する。

「オアシス21」近くの久屋大通り沿いも17.8%上昇した。商業施設だけでなく、周辺では東建コーポレーションが建てた「栄タワーヒルズ」など大型マンションも建ち始めた。住友不動産の竹田晃・東海支店長は「栄は小規模の建物が多く開発余地は大きい」と期待を寄せる。

金山地区(名古屋市熱田区金山町1丁目)は21.9%上昇し、栄に続いた。金山駅はJRや名古屋鉄道、市営地下鉄など多くの路線が通るターミナル駅だ。利便性の高さから駅周辺ではマンション建設が相次いでいる。「『駅近』物件の需要は旺盛で、土地があればすぐに確保したい」と、杉本組(名古屋市)の杉本高男社長は話す。

JR名古屋駅前(名古屋市中村区名駅1丁目)は路線価が1104万円と3県で首位だったが、伸び率は10%と前年(13%)から鈍化した。名駅周辺は15~17年にかけて「JPタワー名古屋」や「大名古屋ビルヂング」など大型施設の開業が相次いだが、足元では勢いが落ちている。

三幸エステート名古屋支店の妹尾哲也支店長は「用地がないのが一番の原因だ」と分析する。名駅前のオフィス空室率は過去最低水準だが、建設に適した土地が足りないという。地価も高騰しており、「上げ幅の縮小は今後も続く」とみる。

愛知県内ではJR刈谷駅前(刈谷市桜町1丁目)が8%と前年から5ポイント上昇した。名古屋市にも豊田市にも近くマンション需要が高い。駅に隣接する「アルバックスタワー刈谷ステーション」など新規のマンション開発も進む。他県でも、名古屋への通勤圏である三重県四日市市が3.3%、岐阜県大垣市も4.5%と高い伸びを示した。

中部全体でみれば、路線価上昇は一部にとどまる。愛知県の岡崎市や東海市、西尾市では市内中心部の駅前の伸び率は横ばいだった。三鬼商事の川口真弥・名古屋支店長は「職住近接など新しいトレンドに合わない地域の伸びしろは小さい」と分析する。県ごとの平均では、愛知が前年比2.2%増と7年連続で上昇したが、岐阜は0.7%減、三重は1.1%減だった。岐阜は11年連続、三重は27年連続の下落となった。

(植田寛之)

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