DC、利回り1.86% 18年度 3年ぶり低水準、株安響く
確定拠出年金(DC)の運用成績が悪化している。格付投資情報センター(R&I)によると、2018年度末までの運用利回り(通算、年率換算ベース)は1.86%と2年連続で低下し、3年ぶりの低水準となった。17年度からは約0.6ポイント悪化した。米中貿易摩擦や中国の景気減速で、国内の株式相場が下落した影響を受けた。
R&IがDCの運営管理を担う野村証券、みずほ銀行、三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行の大手4社から集計した。企業が掛け金を拠出する「企業型」の408万人を対象にしており、全加入者の6割を占める。DCは従業員が自ら運用方法を指定する制度で、運用成績に応じて将来の年金額が変動する。
18年度の単年度利回りは0.40%と小幅なプラスを確保した。一方で17年度の同3.25%からは悪化し、累積の利回りも低下した。海外株式や国内外の債券の運用成績は堅調だった一方、国内株がふるわなかった。
加入者ごとの運用成績でみると、3%以上だった層は26%と17年度から11ポイント減った。また全体の約半数が1%未満だった。DCは運用資産の中でも元本確保型の金融商品が高く、組み入れ商品の多様化やリスク管理が課題となっている。
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