2019年7月20日(土)

オンライン診療の新指針案に1652件の意見

科学&新技術
BP速報
2019/7/1 17:00
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日経メディカル Online

厚生労働省は2019年6月28日、第7回オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会を開催した。指針の見直しに当たって実施したパブリックコメントでは、1652件の意見が集まり、うち1528件が緊急避妊薬に関する内容だった。

18年3月に策定された「オンライン診療の適切な実施に関する指針」は、遠隔医療のうち、医師患者間で診断などの医学的判断を含むオンライン診療とオンライン受診勧奨を対象としている。毎年1回見直しをするとされており、今回は策定後初の改定となる。

主な変更点の1つは、初診は直接の対面診療を行い、その後も対面診療を組み合わせることが原則であるオンライン診療において、離島・へき地など医師が少ない地域で、医師の急病などにより診療が行えずに代診も立てられない場合、二次医療圏内の他の医療機関が、初診からオンライン診療を行うことを可能としたこと。

また、患者と医師が一緒にいる状況で、情報通信機器を通じて別の医師が診療を行う場合は、初診であってもオンライン診療を行えるとしている。なお、看護師または准看護師が患者と一緒にいる状況で、医師が情報通信機器を通じた診療する際に診療の補助行為を看護師などに指示する場合も、本指針の対象となることが書き加えられた。

■緊急避妊薬の処方に対する意見が9割

これまでは「禁煙外来など」となっていた、原則初診対面診療の例外の対象も明示。禁煙外来に加えて「緊急避妊に係る診療」が条件付きで加わっている。

例外となる条件としては、「地理的要因がある場合、女性の健康に関する相談窓口などに所属するまたはこうした相談窓口などと連携している医師が女性の心理的な状態に鑑みて対面診療が困難であると判断した場合」とされた。

この場合に、初診からオンライン診療を行えるのは、産婦人科医または厚労省が指定する研修を受講した医師となる。医師は緊急避妊薬を1錠のみ院外処方し、薬局で研修を受けた薬剤師が調剤をした上で、薬剤師の面前で内服することが条件となっている。さらに、内服した女性が避妊の成否などを確認できるよう、約3週間後に産婦人科医による直接の対面診療を受けることを確実に担保することとしている。

今回のパブリックコメントでは、緊急避妊薬に関する意見が1652件中1528件を占めた。主な内容は、「オンライン診療における緊急避妊薬については特段の条件を設けず処方すべき」、「研修を受けた薬剤師が近くの薬局にいない、最寄りの薬局に在庫がない、またはゴールデンウイークや年末年始など調剤薬局が営業していない場合や、性被害を受けて対人恐怖などがある場合には、薬局で対面の上、内服するのは困難。院内処方を禁止しないでほしい」「海外で緊急避妊薬を市販化している国でも中絶率が低くなったというデータは出ていないため、今回の方針で改定すべき」といったものだった。

第7回検討会では、「性被害を受けた女性を警察や性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターにつなげることを促すことは必要であるが、まずは診療と処方を行うことを明記してほしい」といった意見に関連して、委員から「まずは診療と処方を行い、同時並行で関係各所につなげるという認識だが、書き方の問題などもあり、あまり伝わっていないのではないか。誤解を生まない書き方をする必要があるだろう」という意見があった。

■2020年4月以降は医師の研修受講が必須に

これまでオンライン診療を実施するに当たり医師が受けなければならない研修などはなかったが、20年4月以降は、厚労省が指定する研修の受講が必須となる。その上で、不正アクセスやなりすましを防止するため、患者が医師の本人確認を行えるように、顔写真付きの身分証明書と卒業年度を常に確認できる機能を備えることとした。第7回検討会で、患者は、顔写真付きの身分証明書で本人証明を行うこと。顔写真付きの身分証明書を持っていない場合は、2種類以上の身分証明書を用いて本人証明を行うことが追加された。

(日経メディカル 増谷彩)

[日経メディカル Online 2019年6月28日掲載]

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