2019年8月18日(日)

大和四寺みほとけ展 古刹の名宝が一堂に

文化往来
2019/7/10 6:00
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奈良県北東部にある4つの古刹の名宝を集めた「奈良大和四寺のみほとけ」展が東京・上野の東京国立博物館本館で開かれている。国宝4点、国の重要文化財9点が一堂に会した。

出展したのは岡寺、室生寺、長谷寺、安倍文殊院。飛鳥時代に国中(くんなか)と呼ばれ古代政治の表舞台だった大和に点在して独自の仏教文化を育み、信仰を集め続けている。奈良市内の大寺に比べて地味な存在の4寺は近年、合同で参拝客誘致に力を入れている。

十一面観音菩薩立像(室生寺、撮影:三好和義)

十一面観音菩薩立像(室生寺、撮影:三好和義)

展覧会にお目見えするのが稀(まれ)な仏像がそろった。岡寺の義淵(ぎえん)僧正坐像は深く刻まれた皺(しわ)の中の柔和な表情に高い徳をしのばせる。室生寺の十一面観音菩薩(ぼさつ)立像はふっくらした頬、優しい表情が慈愛に満ちている。この像は金堂の本尊、伝釈迦(しゃか)如来立像(薬師如来立像)脇侍のひとつとされる。やはり室生寺の釈迦如来坐像は木彫仏の傑作。鋭い彫りで重厚な風韻を見事に表現している。衣紋の峰のシャープな切れ味も特徴。この3つの仏像はいずれも国宝だ。

重文では長谷寺の2点がいい。十一面観音菩薩立像は美しい光背を持つ静謐(せいひつ)な印象の像で、10メートルを超える巨大な本尊を模したと伝えられる。難陀龍王(なんだりゅうおう)立像には威厳のある表情とたたずまいに惹(ひ)かれる。

安倍文殊院の本尊で仏師、快慶作と伝えられる文殊五尊像の像内に収められた文書、仏頂尊勝陀羅尼(だらに)は本尊の縁起を記した貴重な書写で、これも国宝に指定されている。

室生寺の網代智明座主は「優れた美術品としてだけでなく、古来連綿と続く人々の祈りの結晶を目の前で見ていただきたい」と話している。同展は9月23日まで。

(中沢義則)

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