スーダンで民主化要求デモ 7人死亡 治安部隊と衝突
【カイロ=飛田雅則】北アフリカのスーダンの首都ハルツームやその近郊などで6月30日、民主化を求める市民らの大規模なデモがあり、治安部隊が催涙ガスなどで鎮圧した。国営スーダン通信(SUNA)は、保健当局者の話として、少なくとも7人が死亡したと報じた。スーダンでは長期政権が4月に崩壊後、事実上の軍政となり、市民らが強く反発している。

ハルツームでは数万人ともいわれるデモ参加者が街頭で「市民による統治が必要だ」などと叫んだ。デモは東部の地方都市などでも起きた。治安部隊は各地で市民らと衝突した。死傷者は増える可能性がある。アフリカ連合(AU)などが軍と市民らを仲介する姿勢を示すが、スーダンの緊張は高まっている。
治安部隊は6月3日にもハルツームの軍本部(国防省)の近くに集まった市民らを発砲などで強制排除した。市民側によると、その後の数日間を含め、計100人以上が死亡した。30日のデモは3日以来の大きな規模になったもようだ。
スーダンの隣国エチオピアとAUは6月27日、スーダンの軍と市民側の双方に独自の民政移管案を示し、仲介に乗り出した。メンバーの過半数を市民側が出す暫定政権の樹立を軸とする内容だ。市民側の代表はAP通信に「軍がこの提案に正式署名した場合に限り、協議は再開することができる」と語った。