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魅力大きいランニング 苦しさの奥に生きがい・喜び
ランニングインストラクター 斉藤太郎

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2019/7/3 6:30
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今回はランニングの技術論から離れ、生活におけるランニングの役割について書きたいと思います。プレーヤーの人数制限がある競技と異なり、ランニングの大会は制限時間こそありますが、エントリーを済ませれば誰もが開催日に確実に出場できる点で平等だと感じます。走り切ったら終了。延長や短縮はありません。

対戦型競技やチームスポーツではレベルや年齢の差を考慮する必要がありますが、ランニングは合宿や泊まりがけレースなどで幅広いレベルと年齢層の人が行動をともにすることができ、仕事などを抜きにしてフラットな交流を広げられます。生涯スポーツとして、とても魅力あるスポーツだといえるのではないでしょうか。

生活の軸になるランニング

ダイアリーに目標レース日を書き込みます。そこから逆算する形でスケジュール調節が始まります。時期に応じて適切な練習をして自身を高めていく。食べて良いものとダメなものを見極める。大切な練習の前夜はアルコールもほどほどに早寝をする。うまくいかないことの方が多いかもしれませんが、数々の選択と試行錯誤が緊張感をもたらし、生活の軸になっていきます。ニッポンランナーズには「練習会がある土曜日が生活のメインです」とうれしそうに言い切るメンバーもいます。

リレーマラソンはチーム編成でタスキをつなぎながら競う大会で、各地で人気を集めています。上位入賞をめざすチームよりも、順位度外視で仲間とのタスキリレーを楽しんでいるチームの方が圧倒的に多いと感じます。仲間と笑顔で走っている光景を目にすると、人は走ることが好きなのだなあとつくづく感じます。

「タスキを受け取り、仲間に渡す」という目的があって、その手段として最大限の努力で走る。苦しいけれども楽しい。「△キロ走りなさい」と数字ばかりを意識するのでは、こういった高揚感は生まれないでしょう。

ランニングにコツコツと取り組めば進歩を確実に感じ取れる

ランニングにコツコツと取り組めば進歩を確実に感じ取れる

このほどスポーツ系の大学の学生に依頼され、研究に協力することになりました。テーマは「長く走ることは嫌いなのだが、どうして大人になると好んでマラソンを走りたくなるのか」。20歳代のやや冷めた視点がうかがえます。若いうちは、苦しさはただ肉体的な苦しさでしかなく、年齢を重ねるごとに、苦しさの奥に潜む生きがいや喜びが感じられるようになるのかもしれません。クラブ練習会の横で「あの人たちはお金を払って苦しい練習に取り組んでいるんだぞ」と先生が生徒に諭していたことがありました。

仕事や家庭内の役割とは別に、何らかの自己実現をしたい欲求を多くの人がもたれているはずです。ただ、希望というゴールはどこかぼやけていて、近づけているかどうかもわからない。一方で、ランニングは試練のクリアのためにコツコツと取り組めば着実に希望に近づける、少なくとも希望から遠ざかることはないスポーツです。「呼吸が上がらなくなった」「記録が伸びた」と進歩を確実に感じ取れます。そんなこともあってでしょうか、好きな言葉が「継続は力なり」というランナーがとても多いそうです。

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