日ロ首脳共同記者発表の要旨

2019/6/29 21:31
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共同記者発表をする安倍首相(左)とロシアのプーチン大統領(29日、大阪市中央区)=代表撮影

共同記者発表をする安倍首相(左)とロシアのプーチン大統領(29日、大阪市中央区)=代表撮影

29日の安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領の共同記者発表の要旨は次の通り。

【平和条約交渉】

首相 私とプーチン氏は2018年11月にシンガポールで共に表明した1956年共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させる決意のもとで精力的に平和条約交渉が行われていることを歓迎し、引き続き交渉を進めていくことで一致した。

18年11月のシンガポールでの首脳会談の合意以降、かつてない頻度で平和条約交渉がおこなわれている。29日は交渉の経過や今後の展望を含め率直に議論した。

戦後70年以上残された困難な問題について立場の隔たりを克服するのは簡単ではない。しかし乗り越えるべき課題の輪郭は明確になってきている。私とプーチン氏は日ロ関係強化の戦略的重要性と平和条約締結がそれを大きく後押しすることを誰よりも深く理解している。

そのために着実に歩みを進めていかなければならない。それを可能にするのは私とプーチン氏の強い決意だ。日ロ両国は私とプーチン氏との間で引き続き着実に前進できると信じている。

プーチン氏 平和条約問題に関する話をした。日ロ外相同士のセンシティブな問題に関する内容の充実した対話を軌道に乗せたことを確認した。対話は続いていき、これからはロ日関係を質的に新しいレベルに進出させるための地道な作業が進んでいく。

信頼関係を促進し、一番複雑な問題の相互における可能な解決策を見いだすための環境づくりにつながる。この関連で南クリル諸島(北方領土)における共同経済活動では若干進展した。

【経済協力】

首相 平和条約問題を解決する真摯な決意を改めて確認し(北方)4島での共同経済活動の実施の歓迎で一致した。日ロ双方で合意した文書として発表する。

北極圏の新たな液化天然ガス(LNG)事業「北極LNG2」への日本企業の参加が正式に決定した。ロシアが進める北極地域の開発と日本のエネルギー安定供給に貢献する協力が成立したことを歓迎する。

ハバロフスクに日本の経験と技術を生かした予防医療診断センターを設立するため日ロ双方が投資を決定した。

8項目の協力プランを提案して以来、3年間で200を超えるプロジェクトが生み出されており、今後もこのような互恵的な協力をさらに拡大する。

プーチン氏 締結された合意文書はロシアと日本との協力の拡大に向けられたものだ。ロシアとしては日本との信頼関係、友好関係を原則にして日本を重要なパートナーとしている。

首相が提案した8項目の計画、ロシアの戦略的な貿易経済の拡大、協力の拡大に関する戦略的な計画に基づいて成功裏に仕事をしている。29日結んだ共同声明は今後、ロシアの国家事業で日本が技術提供、投資することになっている。

エネルギー分野はロシアと日本との協力の主要な分野となっている。ロシア原子力庁からは東京電力福島第1原子力発電所の事故処理のための協力が続いている。使用済み核燃料を加工する第三国での共同事業などを検討中だ。ハイテク分野での2国間の協力が深まっている。

シベリア鉄道のコンテナ配達は効率性を確認し、欧州市場の日本の製品の配達増加につながる。

【人的往来】

首相 23年までに相互訪問者をそれぞれ少なくとも20万人、計40万人にするという目標を日ロで共有した。経済関係をより緊密にし、さまざまな交流を増やしていきたい。

9月から8項目の協力プランに関与するロシア企業関係者らを対象に新たに査証緩和をする。ロシアのみを対象とした措置だ。ロシアの465校の大学生などを対象とした査証手続きの簡素化を決定した。両国関係の次世代を担う若者の交流の拡大を後押しする。

共同経済活動の実施のための人の移動の枠組みや法的課題について議論の深まりを歓迎する。元島民のための人道的措置も着実に協力を進める。プーチン氏との間で航空機墓参を8月または9月に実施することで一致した。

プーチン氏 9月にウラジオストクで開く東方経済フォーラムに首相と日本側の皆さんをお迎えすることを楽しみにしている。

【安全保障】

首相 5月末の日ロ外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)をはじめ、防衛当局間、海上警備当局間でさまざまな交流をし、安全保障分野でも両国の信頼醸成が深まっていることを歓迎する。

【北朝鮮問題】

プーチン氏 国際問題のうち朝鮮半島に注目し、4月にウラジオストクで開いた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長との交渉について説明した。朝鮮半島の核・ミサイル問題を平和的、政治・外交的な手段のみによって解決できることを確認した。

全ての当事者の建設的かつ前進のある対話が必要だ。それを通じて北東アジアにおける安全保障と発展を確保できる。

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