2019年8月18日(日)

近代五種「脱マイナー」めざせ 高校で創部、体験教室も

2019/6/29 11:11
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2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、スムーズな競技運営を試行する近代五種のテスト大会が27日から行われている。フェンシングや水泳、射撃など5競技をこなす過酷さから欧米では「キング・オブ・スポーツ」と呼ばれるが、国内の競技人口は約40人にとどまる。関係者は高校に近代五種部を立ち上げたり、体験教室を開いたりして「脱マイナー」を目指している。

近代五種のフェンシングに臨む選手たち(27日、東京都調布市)

近代五種のフェンシングに臨む選手たち(27日、東京都調布市)

27日、武蔵野の森総合スポーツプラザで近代五種のワールドカップファイナルが行われた。男女の優勝者は東京五輪の出場権を獲得する。最初の競技は1分間一本勝負のフェンシング総当たり戦。会場には剣のぶつかり合う音と、選手の「アーッ!」という雄たけびが響く。周囲も大声で応援し、会場一体となって激しい戦いを見守った。

大会運営をサポートするスタッフの中に若い女性選手がいた。高校3年の有路萌さん(18)は通信制の星槎国際高校川口キャンパス(埼玉県川口市)で近代五種部に所属する。18年に創部されたばかりで、高校では全国初の近代五種部だ。

有路さんが近代五種を始めたのは中学2年の時。テレビで観戦し、その魅力に引き込まれた。自宅のある神奈川県横須賀市の高校に通っていたが「もっと練習したい」と転入を決めた。「将来は五輪で金メダルをとりたい」と意気込む。

もう一人の部員、1年生の浜屋玲奈さん(16)は北海道根室市出身。現在は親元を離れて一人暮らしをしながら週6日の練習に励む。近代五種の魅力を「1競技ごとに順位がすぐ入れ替わり、最後が予想できないワクワク感がある」と語った。

コーチを務める才藤浩さんは1988年ソウル五輪代表選手。「競技人口も少ないが指導者も不足している。五輪で戦える選手を育てたい」と2人を支える。

日本近代五種協会は選手を育成するため、18年から子供向けの体験教室を始めた。レーザー銃での射撃とランニングを交互に繰り返す「レーザーラン」と、フェンシングを体験できる。小学3年生から中学生が対象で、これまでに北海道から沖縄県まで12回を開催した。

同協会の担当者は「子供たちは興味津々で保護者も楽しんでくれた。体験を通じて競技を始めようと思ってくれれば」と期待する。今回のテスト大会期間中に行われる体験教室は100人の定員が募集開始後、約1週間で埋まる人気だったという。

スポンサー企業も競技の盛り上げに力を入れる。日清食品はテスト大会最終日の30日、試合を応援サイトで8時間ライブ中継。イラストレーターのみうらじゅんさん、作家のいとうせいこうさんが解説・実況を担当する。

「ぺんたうるすくん」は五種競技全ての要素を組み合わせた=日清食品提供

「ぺんたうるすくん」は五種競技全ての要素を組み合わせた=日清食品提供

5競技の要素を盛り込んだ半人半馬の「ぺんたうるすくん」という応援キャラクターも作り、特徴的な見た目がインターネットを中心に話題を呼んだ。日清食品広報部の松尾知直次長は「近代五種の存在を知らない人が多い。多くの方に魅力を知ってもらい、東京五輪を契機に人気競技にしたい」と語った。

▼近代五種 フェンシング、水泳、馬術、射撃、ランニングの5種で構成される競技。近代オリンピックの礎を築いたクーベルタン男爵が考案した。「馬術でパートナーになる馬は抽選で決まる」「射撃と800メートル走を交互に繰り返す」など独自色のあるルールが多い。国内では練習場所の確保が難しく、費用負担も比較的重いため、競技人口が少ないことが課題となっている。

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