2019年8月22日(木)

さくらREIT、初の「敵対的M&A」に防戦
独立維持へ提携交渉、委任状争奪戦へ

2019/6/28 21:45
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不動産投資信託(REIT)のさくら総合リート投資法人は28日、スターアジア不動産投資法人による「敵対的M&A(合併・買収)」に対抗するため、友好的な第三者との提携を検討していることを明らかにした。総会で提携を軸とした新たな事業戦略への賛成を募る。REIT初の委任状争奪戦(プロキシーファイト)に発展する見通しだ。

さくらが同日、「潜在的なパートナーとの提携を含む複数の戦略的オプションを検討している」とのコメントを公表した。

さくらが敵対的M&Aに防戦するための友好的な第三者であるホワイトナイト(白馬の騎士)と提携する。具体的な施策を近く発表し、8月にさくらが招集する総会に諮る。6月末時点の投資主(株主)が総会の議決権を持つ。

さくらが招集する総会とは別に、関東財務局は28日付で、スターアジア側が求めていたさくらの総会招集を許可した。スターアジア側は関東財務局の決定に基づき、9月30日までにさくらの総会を開く。総会ではさくらの運用会社と執行役員の交代を諮り、過半数の賛成獲得を目指す。すでに投資主名簿の閲覧許可を得ており、今後は名簿をもとに他の投資主に対して個別に賛同を働きかける方針だ。

REITは、総会に投資家が欠席し、議決権を行使しない場合、「議案に賛成」とみなす「見なし賛成」を認めており、議案提案側に有利な仕組みとなっている。このため関東財務局が、スターアジアが求めていたさくらの総会招集を認めるかどうかが注目されていた。

これらの手続きに従えば、両陣営がそれぞれさくらの総会を開催することになり、投資主に混乱を招きかねない。総会の実務に詳しい弁護士によると、両陣営がそれぞれ、総会を中立的な立場でチェックする検査役を選任し、検査役らが中心となって総会の一本化などの手続きを進める公算が大きい。総会はスターアジア側が示した合併提案と、ホワイトナイトを軸とするさくらの提案のどちらに賛成するかを諮る構図になる見通しだ。

日本のREITの再編はこれまで、経営難に陥った法人の救済や、同じ不動産会社の実質的な傘下にある法人同士の合併を目的としたものだった。スターアジアによるさくらの合併提案は事前の合意を得ていない。合併される側が「敵対的M&A」とみなす初の事例となっている。

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