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村田諒太、新スタイルで挑む背水のリマッチ

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2019/7/1 6:30
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前世界ボクシング協会(WBA)ミドル級王者の村田諒太(帝拳)に審判のときが迫ってきた。7月12日にエディオンアリーナ大阪(大阪市)で、昨年10月にベルトを奪われたロブ・ブラント(米国)と再戦する。ワンサイドで敗れた初戦の内容、過去のリマッチを巡るデータなど挑戦者を後押しする材料は多くないが、大きくスタイルを変えた姿はリベンジの期待を抱かせる。背水のリングに向かう33歳も、己の可能性を疑っていない。

4月25日の発表記者会見で半年ぶりにブラント(右)と顔を合わせた

4月25日の発表記者会見で半年ぶりにブラント(右)と顔を合わせた

「そこに普通の村田諒太がいれば勝てると思っています」。この一言に村田の思いが凝縮されている。言い換えれば、ベルトを失った昨年の試合がいかに不本意な出来だったかということ。ジャッジの採点は、2人が119-109、もう1人が118-110と大差がついた。予想外の完敗に試合直後、気持ちは引退に傾いたが、「あの試合が最後でいいのか」との思いが翻意につながった。相手どうこうよりも自分次第で結果は変えられる。そんな決意がこの9カ月間、屈辱を味わった村田を突き動かしてきた。

再戦に懸ける必死な思いは、村田自身、そして陣営からも感じられる。全てを変えた、と言っても言い過ぎではないほど、練習風景が変わったのだ。

スタイル一新、「柔」「動」へ

まず、トレーナーが足かけ6年組んできた田中繊大氏からベネズエラ出身のカルロス・リナレス氏に変わった。3階級制覇の元世界王者ホルヘ・リナレスの弟で元日本ランキング1位だったカルロスはトレーナーのキャリアは浅いが、村田とほぼ同じ体格を持ち、ブラントを想定しやすい。駆け出しゆえに張り切っていて、ラテン人特有の明るさで遠慮なく村田を追い込んでいるのもいい。

練習メニューも大きく変わった。これまでの田中トレーナーとのミット打ちは、得意の右ストレートを1発1発確かめるように、フォームを固めて打ち込む単発のパンチが多かった。カルロスはリングを広く動きながら村田に手数を要求する。ワンツーから左ボディーにつなげるぐらいしか打たなかったコンビネーションも、右のボディーやフックのダブル、左右アッパーなど多彩になった。

リズムを重視するカルロス・リナレス新トレーナー(右)の指導のもと、手数は圧倒的に増えている

リズムを重視するカルロス・リナレス新トレーナー(右)の指導のもと、手数は圧倒的に増えている

防御ではリングに張ったロープをかいくぐる練習を取り入れている。ブロック一辺倒だったディフェンスに、前かがみにパンチをかわすダッキングや上体を左右に振るウィービングが加わった。これまで「剛」「静」のイメージが強かったスタイルは「柔」「動」へと印象を変えている。村田も「リズムが生まれて、手が出しやすくなった」と語る。

実戦練習のスパーリングパートナーもほぼ刷新した。現役のミドル級世界ランカー、ルイス・アリアスら3人の米国選手を呼び寄せた。ほぼ1日おきに6~8ラウンドを消化。もちろん、疲労の蓄積によって出来不出来の波はありながらも、「過去最高の内容」(帝拳ジムの本田明彦会長)といえる日もあったという。そのスパーリングを1度もメディアに見せなかったのもこれまでとは違う点だ。ナーバスになっているというよりも、それだけ陣営が気を引き締めてこの一戦に集中しているということだろう。

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