2019年8月21日(水)

北海道の路線価2.3%上昇、札幌・ニセコけん引も二極化

2019/7/1 11:00
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札幌国税局は1日、2019年1月1日時点の北海道内の路線価を発表した。道内約1万5800地点の前年比の平均上昇率は2.3%と4年連続のプラスとなり、伸び率も全国平均の1.3%を上回った。札幌市やリゾート地のニセコを筆頭に地価の上昇が盛り上がりを見せる一方で、人口減少地域との二極化の構図は続いている。

道内30税務署管内の最高路線価で上昇した地点は札幌の5地点と函館、小樽、富良野、倶知安の計9地点(前年は7地点)。横ばいは12地点(同13地点)、下落は9地点(同10地点)だった。

最高値をつけたのはJR札幌駅南口の商業施設「ステラプレイス」前の札幌市中央区北5条西3丁目(道道札幌停車場線通り)。1平方メートルあたり488万円と前年比15.1%上昇した。都道府県庁所在地の最高路線価では全国8位だった。

札幌市内は5地点すべてが2桁の上昇だった。最も上昇率が高かったのは札幌西署管内の中央区南1条西11丁目(石山通り)で、上昇率は19.1%に達した。訪日客急増に伴うホテル需要が中心部の路線価上昇のけん引役を果たしている。

上昇率全国トップとなったニセコでは外資が進出し、開発が進んでいる(北海道倶知安町)

上昇率全国トップとなったニセコでは外資が進出し、開発が進んでいる(北海道倶知安町)

オフィス仲介の三鬼商事によると、札幌市内の5月のオフィス空室率は2.23%と、ほとんど空きのない状態が続いている。不動産鑑定士の斎藤武也氏は「オフィス需要に加え、インバウンド需要も兼ねているので、札幌は他都市よりも上昇率が高い」と分析する。

倶知安税務署管内の最高路線価は倶知安町山田(道道ニセコ高原比羅夫線通り)の1平方メートルあたり48万円(50%増)。札幌市中心部のコンチネンタルビル前の中央区南1条西11丁目(石山通り)に迫る勢いだ。外資が訪日客の増加を当て込みコンドミニアムやホテル建設を進めており、土地の需要が高まっている。

上昇率は50%と全国トップを記録したが、8割を超えていた前年と比べれば38ポイント低い。17、18年は上昇率が80%近い高水準で推移しており、今年は16年と同水準に落ち着いたともいえる。斎藤氏は「(今後は)ある程度頭打ちの価格になってくる」とみている。

函館と小樽は訪日客増加の恩恵を受け、前年の横ばいから上昇に転じた。小樽は3.7%の上昇。札幌から近く泊まり客が少ないといわれてきたが、ホテル需要が増えている。函館は人口流出も深刻だが、インバウンドの好調も続く。今年は3.4%の上昇で、訪日客の増加が人口流出の影響を補った面もある。

富良野は2.7%の上昇で、上昇率は前年から0.1ポイント低下した。中心部の複合商業施設「フラノマルシェ」が堅調。上昇基調が続いているが、上昇余地は少なくなってきたようだ。

一方、人口減少地域では依然として地価の下落が続く。昨年下落率が全国ワーストだった深川市4条8番の本町通りの下落率は7.1%。前年の6.7%から0.4ポイント拡大し、今年も全国で3番目に高い下落率だった。

釧路や稚内、八雲、滝川、江差、留萌でも下落率は拡大した。共通するのは中心市街地の空洞化と商店の後継者不足。バイパス沿いの大型商業施設などに客が流れ、中心部への人の流れは増えない。中心地で地価が下がっても開発案件は出にくいのが現状で、人口減少が続く地方都市には苦しい状況が続きそうだ。

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