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「役員報酬1億円」最多の557人 人材獲得へ高額化

2019年3月期に上場企業で1億円以上の役員報酬を得た「1億円プレーヤー」の数が557人(上場子会社除く)と昨年の537人を上回り、過去最高を更新した。グローバル競争を勝ち抜くため優秀な人材を確保しようと高額報酬を付与する企業が増えている。業績や株価に連動する報酬も増えており、報酬体系が「成果に報いる」欧米型に近づいてきた。

28日時点で各社が開示した19年3月期の有価証券報告書(有報)を東京商工リサーチが集計した。1億円以上の報酬を付与する企業も273社と過去最高を更新した。

1億円プレーヤーの顔ぶれをみると、上位10人のうち6人が外国人だ。

1位はソフトバンクグループ(SBG)のロナルド・フィッシャー氏で約33億円。19日の総会で報酬の多寡について株主から質問が出た際、孫正義会長兼社長は「欧米ではもっと高額な報酬が支払われることもある」と答え、理解を求めた。同社はマルセロ・クラウレ氏(米通信子会社スプリント会長)など計4人が10億円を上回った。

武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長は17億5800万円で4位となった。8億5100万円の長期インセンティブの割合が大きい。総会では支給済みの業績連動報酬を返還させる条項を盛り込んだ株主提案が諮られたが否決された。

不祥事企業の報酬も注目を集めた。レオパレス21は深山英世前社長の19年3月期の報酬が1億円だった。深山氏は施工不良のアパート問題の責任を取り、社長を辞任。27日の総会で取締役からも退任した。

日産自動車のカルロス・ゴーン元会長への報酬額は16億5200万円で5位。当初予定額の25億円から有報の報酬虚偽記載疑いで逮捕された後に減った。月額報酬の一部は支払い済みだが日産は損害賠償請求も検討しており、残りは「支給しない」姿勢だ。東京証券取引所の市場区分再編に関する情報漏洩問題を起こした野村ホールディングスは1億円超えが永井浩二グループ最高経営責任者(CEO)のみ。18年3月期は7人いた。

新経営陣を巡り会社側と株主側の選任案が対立したLIXILグループは、社長兼CEOに復帰した瀬戸欣哉氏が4億4200万円となった。

欧米流の業績・株価に連動する報酬の導入も広がっている。数年後に売却できる株式を支給するタイプを中心に上場企業の4割程度に上る。投資家から報酬の客観性や透明性が要求される中、報酬の決め方など質の面でも改革が進みつつある。

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