NTTグループ 北大などと農業ロボットで連携協定

NTTグループは28日、北海道大学、北海道岩見沢市と農業ロボットなど次世代農業の実用化を目指す連携協定を結んだ。次世代通信規格「5G」や人工知能(AI)を組み合わせ、トラクターの無人化など農作業の効率化などを進める。農家数の減少や高齢化など日本の農業が抱える問題解決に貢献するとみている。
28日、岩見沢市内で式典を開き、協定を結んだ。協定にはNTTグループからNTTとNTT東日本、NTTドコモが参加した。研究所を直轄するNTTは最先端技術の研究開発やNTTグループの連携支援、NTT東日本はデータ分析の技術協力、NTTドコモは5G通信環境の提供などで協力する。
北海道大学の野口伸教授は「無人でトラクターを運転する技術は日本が先駆けて実用化できた」と指摘。「かぼちゃなどの農作物の収穫も自動化したい」と農作業のさらなるロボット化を進める意欲を示した。NTT東日本の矢野信二副社長は「新技術導入で農家の方の作業負担を軽減したい」と述べた。
岩見沢市と北大はこれまで次世代農業で共同研究を進めてきた。今回の協定でNTTグループが加わる。通信インフラの整備やAI、ビッグデータ解析のノウハウの適用が進む。通信環境の改善では、自動運転トラクターの制御がよりしやすくなる。AIを駆使したデータ解析では、気温をはじめとした天候データなど各種データの収集、分析ができるようになる。水やり管理や収穫時期の把握など農作業にかかる人手を減らすことができるという。
(新井重徳)