【フランクフルト=深尾幸生】独ライカカメラのアンドレアス・カウフマン監査役会会長は27日、日本経済新聞などとのインタビューで、中国の華為技術(ファーウェイ)との提携関係の先行きについて「複数のシナリオを考えている」と述べた。米中摩擦の激化で関係見直しに動けば、ライカのカメラ技術を売りにしてきたファーウェイに痛手となる。
ライカは27日、本社のある独中部ウェッツラーに美術館「エルンスト・ライツ・ミュージアム」を開いた。カウフマン氏は関連イベントでインタビューに応じた。
ライカとファーウェイは2016年にスマートフォン用カメラでの長期にわたる戦略提携を発表した。ライカ本社内には共同の研究開発センターも設けている。
カウフマン氏は次世代通信規格「5G」向けのネットワーク機器を巡って米中の技術摩擦がスマホにも波及していることについて「われわれは渦中にいる」と懸念を示した。「いまのところ提携は継続しており、互いに契約を守る」と強調した。
今後に関しては「さらに何かが起きれば、生き延びるためによく見極めなければならない」と述べ、米国によるファーウェイへの制裁がどう進むのかを見守る意向を示した。今後のどう対応するかの具体的なシナリオについては「コメントできない」とした。