50大学病院で「無給医」2000人超 文科省調査

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2019/6/28 11:03
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文部科学省は28日、全国の大学病院で働く医師・歯科医師のうち、2191人が給与を支払われない「無給医」であったとする調査結果を公表した。大学院生らが自己研さんや研究などの名目で診療していたが、実質的には労働行為に当たり、各病院は遡及して給与を支払うといった対応を決めた。無給医の多くは雇用契約を結ばず、労災保険に未加入だった。

無給医を巡っては、過去に雇用契約を結ばないまま診療する大学院生の存在が問題化。文科省は2013年に大学院生の雇用率100%を確認したが、大学病院側が自己研さん名目の医師らを除外するなどしており、多数の無給医の存在が明らかになっていなかった。

柴山昌彦文科相は28日、無給医について「たいへん遺憾。改めるのが当然」としたうえで、18年秋の一部報道を受けて調査し判明した点については「(過去の)調査や回答は表層的だったかと考えている」と述べた。

今回の調査は1~5月、全国の国公私立の99大学108付属病院を対象に実施。各病院に大学院生や研修医、非常勤助手など教員以外の医師・歯科医師について、18年9月時点の給与の支給状況と、弁護士や社会保険労務士ら専門家に相談して決めた今後の対応を報告させた。

調査によると、同月時点で対象者は3万1801人で、50病院の2191人(7%)が無給医で、このうち合理的な理由なく給与を払っていなかったのは751人(27病院)に上った。診療のローテーションに組み込まれていたり、契約日数を上回って診療していたりした。

文科省は「労働基準法違反の可能性が高い」と指摘。各病院は最大2年を遡って支払う。

残りの1440人(35病院)は大学病院側は「本人が無給を申し入れるなど合理的な理由がある」としたが、専門家の意見を踏まえ今後は支給する。

このほか3594人(66病院)は勤務先から研修で派遣されたり、労働に当たらない程度の自己研さんだったりするため、無給を続ける。

1304人(7病院)については無給だったものの状況が明確でないため精査中で、給与などの対応は未定という。

残りの2万4712人(104病院)は支払っていた。

無給医が多かったのは順天堂大順天堂医院(197人)、北海道大病院(146人)、東京歯科大水道橋病院(132人)など。

各病院は「病院長から全診療科長に労務管理について周知徹底する」といった改善策を文科省に申告。同省が取り組み状況を今後確認する。

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