インド製薬大手サン・ファーマ、中国参入
【ムンバイ=早川麗】インド製薬最大手のサン・ファーマシューティカル・インダストリーズは27日、中国の同業・康哲薬業ホールディングス(HD)に慢性皮膚疾患の薬の開発・販売ライセンスを供与すると発表した。康哲薬業が中国で規制当局への承認申請や販売を担い、サン・ファーマは販売に応じて一定額を受け取る。サン・ファーマにとって中国市場への参入となる。

康哲薬業にライセンス供与するのは皮膚薬「チルドラキズマブ(一般名)」。皮膚の炎症やかゆみなどの症状が起こる「乾癬(かんせん)」や、乾癬性関節炎の治療薬として康哲薬業が当局への承認申請などを行い、中国本土や香港、台湾、マカオで販売する。サン・ファーマによると乾癬や乾癬性関節炎の患者は中国に650万人超いる。
サン・ファーマのディリップ・シャンビィ社長は「今回のライセンス供与で、(米国に次ぐ)世界2位の医薬品市場への参入となる」と声明で述べた。同社は後発薬の大手だが、皮膚科領域を中心に新薬でも大手になる目標を掲げている。
チルドラキズマブは2018年に米食品医薬品局(FDA)に承認され、米国では「イルミヤ」の名前で売られている。欧州やオーストラリアでは承認済みだ。