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パレスチナ支援会議、資金拠出表明なし 割れるアラブ

【マナマ=飛田雅則】米国が主導して中東のバーレーンで開いたパレスチナ支援を巡る会議は26日、2日間の日程を終え閉幕した。10年間で計500億ドル(約5兆4000億円)規模の支援策を話し合う予定だったが、各国からは資金拠出の表明はなかった。当事者のパレスチナ側が米国に反発して出席を見送った。アラブ諸国の対応も割れており、和平への道のりは厳しさを増している。

会議では、トランプ政権で中東和平を担当するクシュナー上級顧問が「パレスチナを見捨てない」などと強調したものの、米国による資金拠出には言及しなかった。

ロイター通信は「政治的な解決が達成された場合に限り、経済支援が実行される」との米政権関係者の見解を伝えた。トランプ政権が、パレスチナとイスラエルが和平案で合意することを支援の条件にしていることを示唆する発言だ。

サウジアラビアの代表団もパレスチナ支援の重要性を強調したが、資金拠出は表明しなかった。サウジ同行筋は日本経済新聞に「パレスチナ側が受け入れを拒否している状況では資金提供は難しい」と語った。サウジと対立するカタールは目立った発言はせず、アラブ諸国が一枚岩でないことが改めて浮き彫りとなった。

トランプ政権はイスラエルとパレスチナが帰属を争うエルサレムをイスラエルの首都と認定し、米大使館を移転するなどイスラエルに肩入れする。パレスチナ側は強く反発しており、パレスチナ指導部は米国を和平の仲介者とは認めないとの立場を鮮明にしている。和平に向けた機運は遠ざかっているのが実情だ。

今回の会議ではパレスチナ支援策では大きな成果はなかったが、米国は対イラン包囲網に向けてアラブ諸国の一部と一致したもようだ。米国務省のイラン担当特別代表ブライアン・フック氏はバーレーンのラシド内相と会談した。バーレーン高官は日本経済新聞に「イランの破壊的な行為に立ち向かうことで合意した」と明らかにした。

アラブ諸国を巻き込んで対イラン包囲網を構築したい米国だが、思惑通りに進むかは不透明だ。これまでの中東和平交渉では、パレスチナとイスラエルの双方を国家として承認する「2国家共存」が前提だったが、イスラエルに肩入れするトランプ政権がこの方針を覆せば、アラブ諸国の反発を招くのは必至だ。パレスチナ問題への対応次第で、対イラン包囲網に対するアラブ側の支持を失う可能性もある。

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