ヤマハ発動機は7月から、静岡県磐田市で低速自動運転車両を使った公道での実証実験を始める。自動運転システムの機能評価や課題の把握をして、社会実装に向けた走行環境の検討に生かす。人手不足や採算難で維持が難しくなった路線バスの代替手段にするなどの利用を視野に入れる。
JR東海道線の袋井―磐田駅間に2020年春開業予定の御厨駅周辺で、2年間、低速自動運転による移動を想定した最長4.2キロメートルの経路を走る予定。
想定した経路に対する走行の正確さを評価しながら、人による操作が必要となる場面の抽出、自動運転車が交通の流れに影響を与える条件の見極めなどをする。
27日の車両出発式で、ヤマハ発動機の日高祥博社長は「技術者が集中する地元の磐田市で実証実験ができるのは、技術開発面で大きな利点だ」と述べた。渡部修磐田市長は「高齢者の足の確保は全国の自治体の共通課題。モデルケースとなれるよう全面協力したい」と話した。