東大、アートの実技指南に力 学生の発想豊かに

文化往来
2019/6/27 17:16
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東京大学がアートの実技教育を重視し始めた。芸術の創造性を文系・理系を問わず幅広い研究や教育に取り入れる狙いがある。このほど、人文社会から医学まで学内の7部局が連携して取り組む「東京大学芸術創造連携研究機構」が発足した。

東京大学で実技を含む芸術を教える画家のO JUNさん

東京大学で実技を含む芸術を教える画家のO JUNさん

機構はメディアアーティストとしても活躍する池上高志教授ら、各部局の教員の活動を後押しするほか、学生向けの実技の授業を増やす。「文系・理系にとらわれない研究は近年とみに増えている。様々な分野に進む学生が、アートによって創造性や多様な価値観を学ぶ機会を提供したい」と副機構長の加治屋健司准教授は狙いを話す。

日本でアートの実技を教える総合大学は数少ない。一方、海外では芸術教育を理系の研究やビジネスに生かして、イノベーションを促進するという発想が注目されている。

加治屋氏によれば、米国ではエール大学やスタンフォード大学などが芸術学部を設置。プリンストン大学では一般教養課程で絵画・彫刻から陶芸、グラフィックデザイン、写真、映像撮影といった実技を学べる。中国では北京大学、清華大学をはじめ主要な総合大学の8割が芸術学部を設けているという。

東大では2017年度から教養学部・教育学部で写真家の長島有里枝氏、メディアアーティストの真鍋大度氏、電子音楽の先駆者で米国出身のカール・ストーン氏らを招いて、実技を含む芸術教育に乗り出した。講座数は当初の年4コマから19年度は18コマに増え、画家のO JUN氏による授業も始まった。将来はアーティスト・イン・レジデンス(芸術家の滞在制作)なども計画している。

(窪田直子)

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