仏大統領「AIルール策定、日仏主導」 G7で議論

2019/6/27 10:50
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講演するマクロン仏大統領(27日午前、東京都江東区の日本科学未来館)

講演するマクロン仏大統領(27日午前、東京都江東区の日本科学未来館)

フランスのマクロン大統領は27日午前、日本科学未来館(東京・江東)で講演し、人工知能(AI)分野のルール構築に向け「イノベーション(技術革新)に乗り遅れてはいけない。日仏が指導力を発揮すべきだ」と述べた。AIの開発や活用をめぐる倫理規範を定めるため、各国の専門家を集めた組織を設ける考えを明らかにした。

マクロン氏は大阪での20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に参加するために日本を訪れている。日本経済新聞社と在日フランス大使館が共催したイベントで講演した。

フランスは8月の主要7カ国首脳会議(G7サミット)で議長国を務める。G7で取り上げる優先課題として(1)グローバル化と格差(2)AIなどのデジタル技術(3)気候変動と生物多様性という3つの危機をあげた。「政府だけでなく、企業や国際機関、個人など色々な主体が連合で対処すべきだ」と述べた。

AIの発展については「経済を変える重要なツールで未来の産業を作る新たな機会だが、社会を不安定化するものでもある」と述べ、弊害を防ぐ倫理指針づくりの必要性を指摘した。基本的人権を脅かさないように人が制御し、人に役立つことを前提とする「人間中心」の原則が柱だ。AIが人の仕事を奪うとの不安や、AIの判断で生じる差別助長への懸念に応える。

フランスとカナダを中心に、各国の専門家が集う「人工知能に関する政府間パネル(IPAI)」を設立すると表明した。G7の場で具体的な枠組みを正式に決め、日本を含む各国に参加や協力を促していく。講演に続く討論会で富士通の田中達也会長は「人の知性をサポートする観点で技術開発をしたい」と述べ、専門組織の設置について賛同した。

マクロン氏は貧富の格差などの是正をめぐり「不均衡が耐えがたいものになっている。変化の中に企業を巻き込んでいく必要がある」と述べ、民間企業や投資家が共に取り組む必要性を訴えた。企業の収益が所得の低い層を含む社会の各層に広く行き渡るようにすることを求めた。

地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの米国の離脱を念頭に「多国間主義は危機にある。反対する一部の人を長々と待つのではなく、参加したい人はどんどん募り、取り決めを守る連合をつくるべきだ」と呼びかけた。

フランス政府からはマクロン大統領のほか、ルメール経済・財務相、ルドリアン外相、ビダル高等教育・研究相らが参加した。仏食品大手ダノンのエマニュエル・ファベール最高経営責任者(CEO)らも登壇した。

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