2019年8月20日(火)

米、イラン監視へ国際連携探る 石油輸送を円滑に

トランプ政権
2019/6/26 17:47
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【ワシントン=中村亮】トランプ米政権が中東のホルムズ海峡周辺を航行する船舶の安全確保に向けて各国との連携を探っている。米政府はイランが5、6月にタンカー攻撃を実行したと判断し、船舶の動向を細かく監視する体制の構築を目指す。関係国に艦船や監視設備の提供を求め、資金支援も呼びかける。

トランプ米大統領はホルムズ海峡周辺の航行の自由を守る上で他国の負担増が必要だと訴えた(25日、ワシントン)=ロイター

米国務省のイラン担当特別代表ブライアン・フック氏は24日、記者団に対して安全対策について「航行の自由が国益に資する関係国と新しい方策を始めることが考えられる」と語った。同氏は28、29日に大阪で開く20カ国・地域首脳会議(G20サミット)でも船舶の安全対策が議題にのぼるとの見通しを示した。

5、6月に計6隻の船舶がホルムズ海峡周辺で何者かの攻撃を受けた。同海峡は原油輸送の大動脈といわれ、攻撃をきっかけに輸送に支障が生じるとの懸念が広がった。

ロイター通信によると、米政権はホルムズ海峡周辺を航行する全ての船舶を対象とした監視体制を有志国と構築する案を検討している。艦船を派遣したり、監視用カメラを提供したりするよう関係国に求める見通しだ。国務省高官は監視体制の強化で「イランのさらなる攻撃を防ぐ抑止力としたい」と語る。

参加国にはペルシャ湾岸やアジアの諸国を想定する。市場推計によると、日本の原油輸入元は2018年にサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)など湾岸諸国が約8割を占めた。韓国や中国もそれぞれ7割、4割と高水準で、ホルムズ海峡の安全確保は経済成長に不可欠だ。

トランプ大統領は24日、ツイッターでホルムズ海峡の航行について「なぜ米国が他国のために無報酬で航路を守るのか」と指摘。米国が航行の自由を守る際の負担が重すぎるとの考えを表明した。有志国連合の構想もトランプ氏の不満を反映した可能性がある。米国は国内で原油生産が急増し、原油調達で中東への依存度が下がったことで、中東問題への関心が薄れやすい。

米国にはイラン政策を巡って国際社会での孤立を避ける狙いもある。米政権は6月に起きたタンカー攻撃の実行犯をイランの精鋭部隊と即断したが、米国の評価に追随したのは英国やサウジアラビア、イスラエルなどに限られる。

中国やロシア、独仏はイラン核合意を一方的に離脱した米国への不信感が根強く、米国と距離を置いている。こうした中で、各国の賛同を得やすい船舶の安全確保への対応で連携を呼びかけることで、イラン包囲網の構築につなげる思惑もありそうだ。

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