販売店で英会話・料理教室も トヨタ担当役員に聞く

2019/6/27 0:00
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トヨタ自動車で国内販売を担当する佐藤康彦執行役員は、他の完成車メーカー系を含む販売店で課題を持ち寄り、協力を検討する会議を今月に始めたと明らかにした。販売4系列では全車種併売を2020年5月に前倒しするが、「CASEなど環境変化は速い。挑戦するには販売店に体力があるうちに早く動く方がいい」と話した。主なやりとりは次の通り。

国内販売事業本部本部長の佐藤康彦執行役員

国内販売事業本部本部長の佐藤康彦執行役員

――販売を巡る動きが加速しています。

「地域の販売店を維持するため、仲間作りに取り組む。他の自動車メーカーに声をかけ、今月に2時間ほど地域の困りごとを解決するための販売店の活用について情報交換した。課題解決を目指す思いは一緒で、オール販売店で取り組みたい。業界団体の日本自動車販売協会連合会(自販連)にも旗振り役をお願いするつもりだ」

「オールジャパンで協力して、物流や中古車販売などの面で固定費を削減していきたい」

――地域に根ざした取り組みも始めます。

「来月からトヨタ販売店の代表者を集めた『ブロック会議』を始める。7月中旬から1カ月ほどかけて、全国7ブロックを回る。愛知や北海道など各地域の事情に応じたサービス形態を考える必要がある。トヨタの販売店は地元のオーナー企業であり、創業当時に『地域に貢献したい』という理念の下、創業した。地域を考えたサービスに取り組むことで、本業に返ってくるとみている」

――今後のトヨタの販売店が目指すべき方向性は何ですか。

「店舗数を減らすことは考えておらず、縮小均衡は絶対にしない。『生活サービス業になろう』と呼びかけている。いわゆる『ご用聞き』や『よろず屋』といったものであり、そのために我々も支援していく」

「豊田章男社長は『地域や顧客との信頼関係を持つ6000店舗(レンタカー店を含む)なら、地域のために役立てることがある』と発言している。販売店は立地はいいが、顧客の来店は土日に集中している。閑散期の平日の昼間に店舗を地域の人に開放しながら、英会話教室や料理教室をやってもいいと思う」

――系列での全車種併売を20年5月に前倒ししました。

「販売店の要望も受け、判断した。100年に1度の大変革期の中で、新たなモビリティサービスを含めて販売店にはチャレンジを促していきたい。全車種を扱えると顧客に最適の車を提案でき、新たな顧客の獲得にもつながる。結果として台数を増やしていける」

――10月には消費増税を控えています。

「増税前後にはある程度の駆け込み需要と反動減を予測している。政府は自動車需要の変動をできるだけ抑える方策をすでにうっている。官民が一緒になり、市場を活性化して反動減の影響を最小限にしたい」

併売で競争激化も、顧客との接点カギ

販売店改革が相次いでいる。20年に前倒しした4系列の全車種併売は、販売店幹部からは歓迎する声もあったが、現場は「これまでは専売車に助けられた部分がある。既存顧客のつなぎ留めに不安を感じている営業担当者もいる」との本音も漏れる。商品の共通化はトヨタ自動車の販売店同士での競争激化に直結し、力のない販売店の淘汰につながる。

それだけに新たな顧客との接点を作る上でカギとなる「生活サービス業」の取り組みを後押ししているが、採算が合わなければ継続性は担保できない。今後は電気自動車(EV)などもラインアップに加わり提供するサービスは高度化する。人手不足などもあり販売店を取り巻く環境は厳しさを増している。変化への対応と収益確保の両立が求められている。

(広沢まゆみ)

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