2019年7月24日(水)

バングラの子供に学ぶ喜びを 新潟の夫婦、小学校建設

社会
2019/6/26 11:59
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バングラデシュの子供に教育を受ける機会を設けたいと、同国の小さな農村に小学校を建てた夫婦がいる。村出身で現在は新潟県見附市に住む会社員モハメッド・ヌルル・エラヒさん(52)と妻の美砂子さん(69)。2人は「勉強の喜びを知った子供たちの目の輝きが何よりの励み。いつか国の発展に貢献してほしい」と期待する。

 バングラデシュのナマプティア村で建設した小学校の子どもたちに囲まれ、ほほえむ美砂子さん(右から3人目、2018年8月)=共同

首都ダッカから約100キロのナマプティア村には学校がなく、大半の子供は農業やきょうだいの世話をして生活していた。エラヒさんは1989年に来日。見附市で金型の技術者として働き、詩のサークルで美砂子さんと出会った。

美砂子さんは結婚後、初めてエラヒさんの故郷を訪問。学校がなくても、子供たちが「医者になりたい」「先生になりたい」と話す姿が印象的だった。美砂子さんが2009年にがんを宣告され、病を乗り越えたとき「せっかく助かった命だから」と思い、夫婦で村に学校をつくることを決めた。

11年から建設基金を募ると、市民や小学校などから寄付が集まり、16年に約600万円の費用で2階建ての学校が完成。17年に開校し、約160人の生徒が入学した。

学費は無料。モデル校として注目され、教科書は国から無償で支給される。最初は働き手の子供を通わせることに消極的だった親も、今ではテストや卒業式の度に晴れ姿を見に学校に集まる。

バングラデシュの識字率は約72%(16年推定)だが、都会と農村では大きな格差がある。2人は「村全体の識字率を100%にしたい」と、大人のための放課後授業にも力を入れている。

2人には6月15日、新潟県長岡市から人材育成に貢献した個人らを表彰する「米百俵賞」が贈られた。明治初頭に教育の重要性を訴えた長岡藩(同県)の逸話「米百俵」の精神に基づいて創設された賞だ。エラヒさんは授賞式で「新潟の人に活動を認めてもらえたことは一生の喜び。これからも日本とバングラデシュの懸け橋として頑張りたい」と話した。〔共同〕

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