2019年7月23日(火)

戦争の代償、学んでほしい 米軍基地の沖縄戦博物館

九州・沖縄
社会
2019/6/26 10:30
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沖縄県内の米軍基地の一角に、日米双方で計20万人以上が犠牲となった沖縄戦を伝える博物館がある。若い米兵らが歴史を学ぶ場だ。元海兵隊員の館長、クリス・マジェスキーさん(46)は「最も大きな犠牲を受けたのは一般の人々だった。戦争の代償を知ってほしい」と願う。

「沖縄戦博物館」の館長クリス・マジェスキーさん(17日、沖縄県浦添市)=共同

米軍牧港補給地区(浦添市)の建物内にある「沖縄戦博物館」の一室。展示品が入ったショーケースなどが整然と並ぶ。同市を通じて申請し米軍の許可が出たら、一般市民も無料で見学できる。

1945年5月中旬に両軍が死闘を展開した丘「シュガーローフ」(現在の那覇市内)の近くで見つかった、銃弾で穴だらけの水筒。女学生らでつくる「ひめゆり学徒隊」が持っていた、色あせた茶色のカバン。米兵が女の子を射殺したことを伝える、米軍側の新聞……。遺品や写真など、3千点超を展示している。

工事現場で見つかるなどしたものを寄贈してもらったり、骨董品店で手に入れたりしながら集めた。「戦争の現実を物語る品々から、そこにあった沖縄の人々の暮らしを見てほしい」

93年に海兵隊員としてキャンプ瑞慶覧(北中城村など)の輸送車両部隊に配属され、祖父が従軍していた沖縄戦に関心を持った。祖父から当時の話を聞いたことは、ほとんどない。自ら学ぶ中で、戦争で失うものの大切さを意識するようになった。

元空軍兵の男性が94年に開いた同館を訪れたことを機に、運営に協力するようになった。96年に退役したが沖縄にとどまり、米兵らを戦跡に案内する観光ガイドに転身。男性が亡くなった2006年から、館長職を掛け持ちしている。

戦後74年。戦場で命を落とすこともなく、沖縄出身の妻や3人の子どもと暮らしている幸運をかみしめつつ、来訪者を心待ちにしている。

〔共同〕

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