2019年8月19日(月)

北海道で観光・宿泊税の検討相次ぐ、訪日客インフラ整備

2019/6/25 19:16
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北海道内の市町村で観光振興に向けた新たな財源として、宿泊税や観光税の導入を検討する動きが相次いでいる。札幌市や倶知安町などが検討し、鈴木直道・道知事も観光税の導入が必要との考えを示した。道と複数の市町村で観光の新税の検討が同時に進むのが現状で、道と市町村による二重課税をはじめ導入には多くの課題も残る。

ニセコ地区のひらふ坂はホテルやコンドミニアムが立ち並び、夏季も訪日客でにぎわうようになってきた(倶知安町)

「多様化する観光需要に対応するため、法定外目的税の導入による安定的な財源確保が必要だ」。鈴木直道知事は25日の道議会で新税を巡る道の立場をこう説明し、導入に向けて検討を加速させる考えを示した。

道の観光関連の予算は補正予算分を含めると、19年度は過去最高の21億9千万円に達する見通し。観光予算はこれまで6年連続で増額してきたが、急増する訪日客に対応するインフラ整備などに十分な水準とはいえない。18年には道の観光審議会(道の諮問機関)が新たな財源の導入を検討するよう道知事に答申し、道は調整してきた。

道は宿泊税を念頭に、一定額以上の宿泊代で数百円規模の税金をかける定額制を想定している。今後は税を徴収する作業が伴う宿泊事業者とも協議し、民間サイドの負担などを聞き取って詳細を詰める。新税を検討する道内市町村とも近く、使途や徴収方法などについて意見交換を始める。

道内の市町村は相次いで観光税の導入検討を表明している。札幌市は6月、検討を始めた。宿泊料金の上昇やホテルの事務負担増を理由に消極的だったが、道の宿泊税が先行すれば税収を逃すことにもなるためだ。

外国人に人気のリゾート地を抱える倶知安町は11月をめどに宿泊税を導入する。町内の宿泊施設に泊まる際に料金の2%を徴収する定率制にする。ニセコ町も21年6月からの導入を目指す。

富良野市も安定した税収が得られることなどを理由に、定率制の宿泊税を検討している。7月には観光事業者らを交えた有識者会議を設けて検討を加速させ、21年にも導入する。函館市も宿泊税を軸に検討委員会を設けて議論する。

宿泊税などの観光税は「法定外目的税」と呼ばれ、使い道や金額まで条例に定める必要がある。道と市町村が宿泊者らに同時に課税することになれば、納税する旅行者には負担感が残る。

宿泊税の検討を始めた市町村はいずれも外国人を含む観光客が多く訪れる。財政難の各自治体にとって新たな財源となる観光税は魅力的に映るが、福岡では県と市が課税権をめぐって対立する事態も起きている。納税者を置き去りにした議論とならないよう、慎重な検討が求められそうだ。

(塩崎健太郎、山中博文)

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