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7人制男子、「降格」に見えた課題と進歩

ラグビーW杯
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2019/6/28 6:30
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東京五輪のメダル獲得を目指すラグビー7人制の男子日本代表が岐路に立たされている。国際大会ワールドシリーズ(WS)の全大会に出場できるコアチームから降格。強豪国との対戦機会が減り、強化策の修正を迫られている。プレーの中身には光明が見えるだけに、この1年間の過ごし方がより大事になる。

6月頭に行われたWSの最終戦、パリ大会。逆転でのコアチーム残留はほぼ手中にあった。1次リーグ3戦目、格上のスコットランド戦に勝てば8強に進み、総合順位で残留圏の14位に入ることができた。

パリ大会1次リーグのスコットランド戦では健闘を見せたものの、ラストワンプレーで逆転された(日本ラグビー協会提供)

パリ大会1次リーグのスコットランド戦では健闘を見せたものの、ラストワンプレーで逆転された(日本ラグビー協会提供)

残り1分、日本はラインアウトの相手ボールを奪うと、キックパスを交えた見事な攻撃でトライ。土壇場で逆転に成功した。あとは直後のキックオフからボールを再確保し、タッチラインに蹴り出せば試合終了だった。

このラストプレーでミスが出る。中盤の相手ボールの密集に日本は複数人を投入。リスクを取ってボールを奪いにいったが、逆に反則を犯してしまう。防御ラインの人数が減ったままスコットランドの速攻を受け、そのまま再逆転を許した。白星と残留は、はかなく消えた。

「一番の勝負どころで勝ち切れなかった。焦りが出たのかな」とベテランの坂井克行(豊田自動織機)。「これが今の実力。少し格上のチームには(試合時間14分間の)12分くらいは戦えるけど、ラスト2分で負けるという試合をこれまでも続けてきた」と悔やむ。

反則を犯す直前の密集でも日本は人手をかけたが、攻守交代に失敗している。「ボールが見えていたので蹴り出せばよかったが、手で奪いにいってしまった」と岩渕健輔ヘッドコーチ(HC)。確実に自分達のボールにしようと密集を一押ししているうちに、相手に再確保されてしまった。細かな判断ミスが勝敗を分けた。

「逆転トライの後、選手交代で間を取って一度、落ち着かせた方がよかったかもしれない。自分の責任」と岩渕HCは悔やむ。ただ、最高の流れできていたから、一呼吸置くべきかは難しい判断だった。

■降格は強化に支障をきたす

コアチームから降格すると、翌シーズンのWSには通常、2大会程度しか出場できない。「強化に大きな問題が出る」と岩渕HCも認める。

今季のような五輪前年のWSは、日本の鬼門となっている。4年前はさらに悪い成績で降格した。通常のシーズンより厳しい戦力での勝負を強いられることがその理由だ。

五輪の前年以外は、日本に3年間住んでいる海外出身選手も代表として出場できる。しかし、4年に1度のこのシーズンは五輪予選を兼ねているため、国籍を持つ選手しか出られない。今季の日本も、前年までの主力の海外出身選手5人が不参加だった。

誤算は他にもあった。代表屈指の快足、リサラ・シオシファ(豊田自動織機)は所属チームの事情などでシーズンの半分しか参加できず。ニュージーランド出身で日本国籍を取得したボーク・コリン雷神(リコー)も、国際統括団体が代表資格の審査を厳格化した影響で、代表デビューは来季に持ち越しとなった。

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