2019年7月22日(月)
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ルネサス、折れた拡大路線 呉社長が「引責」辞任

エレクトロニクス
2019/6/25 15:00 (2019/6/25 15:51更新)
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経営再建を果たしたかに見えた半導体大手のルネサスエレクトロニクスが再び正念場を迎えた。25日、呉文精社長兼最高経営責任者(CEO、63)が6月末に辞任し、後任に柴田英利最高財務責任者(CFO、46)を充てる人事を発表した。業績の悪化に伴う事実上の引責辞任だ。大型買収をテコに進めてきた拡大路線は転機を迎える。

同日開いた取締役会で決議した。同社が任意で設置している指名委員会が「今後の経営トップとしては期待を満たしていない」と交代を推奨したことによるものという。呉氏は3月の定時株主総会後の取締役会で再任されたばかり。約3カ月での異例の辞任となる。取締役からも退く。

2010年に発足したルネサスは、11年の東日本大震災やその後の為替相場の円高で経営危機に陥った。破綻の瀬戸際まで追い込まれたが、官民ファンドの産業革新機構(現INCJ)や国内大手メーカーの金融支援を受けて、大幅な人員削減や工場閉鎖などの構造改革を実施。15年3月期に現在の体制になって初めて最終損益の黒字化を果たした。

呉氏は大型買収を主導してきた(写真は米IDT買収の記者会見、18年9月)

呉氏は大型買収を主導してきた(写真は米IDT買収の記者会見、18年9月)

危機脱却を受け、成長路線への転換を託されたのが呉氏だった。カルソニックカンセイ社長や日本電産副社長の経験をかわれ、革新機構の主導で16年6月にルネサスの社長兼CEOに就任。17年2月に米インターシル、19年3月に米インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)と立て続けの買収で拡大路線を進めた。

ルネサス社長に就任する柴田氏

ルネサス社長に就任する柴田氏

ただ、華々しい買収の裏で本体の競争力は失われてきた。主力の自動車向け半導体などでのシェア低下や中国景気の減速を受け、19年1~3月期の連結営業損益は12億円の赤字。決算期変更のため単純比較できないが、同期間としては7年ぶりの赤字を計上した。

株価も17年後半には1500円超まで回復したが、25日の終値は509円と6割以上低い水準だ。

後任の柴田氏は革新機構がルネサス支援を決めたときの投資責任者。13年にルネサス取締役に転じた経歴を持ち、再建の立役者の一人ともみられてきた。逆風のなかで危機の再燃を防げるか。柴田氏は同日、「成長路線に回帰するよう尽力する」などのコメントを発表するにとどめた。

柴田 英利氏(しばた ひでとし) 95年(平成7年)東大工卒、JR東海入社。09年産業革新機構入社。13年ルネサスエレクトロニクス入社、18年取締役。神奈川県出身

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