2019年7月20日(土)

「めんべい」5割増産、山口油屋福太郎
北海道工場、AIで効率化

サービス・食品
九州・沖縄
2019/6/25 9:11
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辛子めんたいこの山口油屋福太郎(福岡市)はめんたいこを原料にした「めんべい」などの煎餅の生産能力を増強する。北海道の工場で1億円近くを投じて製造ラインを増設し、生産能力を最大5割引き上げる。人手に頼っていた品質管理にAI(人工知能)を導入するなど効率化も進める。めんべいは2018年に売上高が過去最高になるなど販売が好調で、増産対応を急ぐ。

通常の煎餅より割れやすく、品質管理が難しかった「めんべい」

通常の煎餅より割れやすく、品質管理が難しかった「めんべい」

北海道小清水町の煎餅工場で6月、完成した煎餅を選別し、整列させて包装するまでの工程を自動化した。

魚介の具を練り込んでプレスした同社製品は通常の煎餅よりも割れやすく、大きさも一枚一枚異なるため、同工程は従業員の目視や手作業で担ってきた。

北海道工場でAIによる品質管理システムを導入する(北海道小清水町)

北海道工場でAIによる品質管理システムを導入する(北海道小清水町)

北海道工場では製品の品質検査工程でAIカメラを初めて導入した。小さな割れやヒビ、焦げから不良を判別する。検査後は煎餅を整列させて運搬し、ロボットアームで1個ずつつかんで包装する工程も自動化した。必要な人員は従来の3分の1に削減できる見込み。

物流や人件費の高騰が続くなか、食品業界では近年、価格を据え置き内容量を減らす「実質値上げ」の動きが増加。内容量の変化に敏感になっている消費者も多く、同社はこの点にも着目しAI技術を活用する。

めんべいは1袋2枚入りで包装している。2枚の重さはそれぞれ同じでも、見た目が少し小さい方が上に重なっていた場合、消費者から苦情がくる場合があるという。

北海道工場の新設備で大きさが同じ2枚を組み合わせたり、重さが同じでも小さい方を下に配置したりといった細かい作業を自動でできるようにした。人手による作業に比べて精度や生産スピードが向上するとみている。

北海道工場は煎餅の原料として使う国産でんぷんが不作で入手困難だった際に小清水町から提供を受けたことを機に進出を決め、13年から稼働している。

今後、福岡県添田町の2工場にも同様の設備を導入する方針だ。当面は生産能力を最大限高め、需給を見極める。今後も販売好調が続けば、新工場の建設も視野に入れている。

訪日外国人客(インバウンド)の増加などでめんべいの販売は好調で、18年の売上高は前年比22%増の36億6千万円だった。15年ごろからOEM(相手先ブランドによる生産)にも本格参入し、自治体などと地元食材を使った煎餅の開発・製造をしている。ただこうしたニーズに生産能力が追いつかず「取引先から依頼を受けても待ってもらっている状況」(担当者)が続いていた。(鳥越ゆかり)

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