2度目の現役引退から2年、女子テニスの伊達公子さん(48)が次世代のトップ選手育成に動き出した。「日本選手はプロになってから伸び悩む」との考えから、15歳以下をターゲットに指導し、ジュニアの四大大会出場を目指す。
5月にオーディションを実施し、運動神経が一番伸びるとされる「ゴールデンエイジ」終盤期の小学6年~中学3年の4人を選んだ。戦績より「球をうまく、強く打てる」などの点を重視した。
元プロの浅越しのぶさん、石井弥起さんら参加スタッフの顔ぶれは豪華だ。練習メニューや体のケアなどトップ選手なみのサポート体制で2年間で8回合宿を行い、選手の所属クラブのコーチと成長度合いや改善点の情報も共有していく。
6月22日から始まった合宿のテーマは「自分を知る」と「追求」。試合形式の練習で選手の長短所を探り、課題を掘り下げた。力を入れたのはサーブとボレーだ。
「サーブ、リターンに続く3球目をしっかり返し、いかに主導権を握るか。プロ、特に女子はここを本当によく練習する」。サーブ練習では伊達さんもリターンに入った。「『軽ーく返したよ』というリターンがすごく重かったし、今まで注意されたことのない点を指摘されたり、驚くことばかり」と奥脇莉音さん(14)。今回のメンバーに選ばれたのを機に、プロへの決意を固めた。
このプロジェクトは伊達さん引退後、ヨネックスとの生涯契約が決まり、「共に何をするか」を考える中で生まれた。
ヨネックスのサポートで1989年に伊達さんはプロ入り。伊達さんにけん引され、90年代の日本女子はトップ50に何人も名を連ねた。それが21世紀に入ると尻すぼみに。現在、錦織圭、大坂なおみ(ともに日清食品)のおかげで注目を集めるものの、大坂以外の女子は苦境が続く。今回のブームこそ次代につなぐために「しっかり土台づくりをしたい」と、強化に乗りだした理由を語る。
日本テニス協会も力は入れているが、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京・北)にあるコートはシニア兼用で4面。強化対象にできるのは、試合で結果を出した一部のトップジュニアに限られてしまう。
「仕方ないけれど、日本の選手は『勝たなければいけない』という意識が強い。欧米選手は『勝ちたい』。この前、フランスの方と話していて、この微妙な差は大きい気がした。ノビノビと育つ環境が日本は少ないかな」と伊達さん。抜きん出た才能のある子だけでなく、「少し加えることで大きく変わる可能性のある子にチャンスを広げたい」と話す。
伊達さん自身、注目を集めたのは高校3年生の頃と遅咲きだ。浅越さんは大学進学もした。「みんなが強くなれるわけじゃないこと、負けも耐え抜かないとトップになれないことも避けずに伝える。うまく情熱をあげていきたい」。息の長い活動を目指すそうだ。(原真子)
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