2019年8月22日(木)

チバニアン命名実現へ条例制定めざす 千葉県市原市

2019/6/24 18:01
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千葉県市原市の地層にちなんで古代の地質時代を「チバニアン」と命名する取り組みを巡り、推進派と反対派が衝突している。命名に反対する一部の研究者が地層付近の借地権を取得したため、国際学会が命名の条件とする自由な立ち入りができなくなる可能性が浮上した。市原市は研究目的の立ち入りを拒否できなくする条例を近く制定し、チバニアン実現をめざす。

反対派の借地権取得で、地層周辺への立ち入りができなくなる可能性があった

新たな条例案の原案を発表する小出譲治・千葉県市原市長(24日、市原市内)

市原市の「地磁気逆転地層」は古代の地球で磁場が逆転した痕跡を残しており、茨城大学や国立極地研究所などの研究チームは該当する地質時代(77万~12万6000年前)をチバニアンと命名するよう国際学会に2017年に申請した。地元の市原市も命名運動を支持し、環境保全の観点から一帯の公有地化をめざしている。

現在は学会で審査中だが、国内の別の研究者らは地層の調査データに疑義があると主張し、反対運動を展開している。18年12月には反対派の研究者が地元の地権者から、地層近くの土地の借地権を取得していたことが発覚した。学会は命名の前提として調査・研究目的で現地に自由に立ち入れる環境整備を求めているが、反対派が立ち入りを拒否する可能性が取り沙汰されていた。

市原市の小出譲治市長は24日、臨時記者会見を開き、地層周辺で調査研究用の試料を採集する場合に限り、研究者らの立ち入り拒否を禁じる条例案の原案を公表した。地層周辺は国の天然記念物に指定され、市原市が管理権限を握っているため、地権者に対する規制が可能だと判断した。9月の定例市議会に提案し、早期の施行をめざす。

市は反対派の研究者や地権者に文書などで協議を呼びかけてきたが、前向きな回答はなかったという。小出市長は条例原案について「財産権は尊重すべきであり、私権制限は最低限にとどめた」と強調する。条例が制定されれば命名に向けた障害は一つ解消されるが、対立の火種は引き続きくすぶりそうだ。

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