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国内IT大手2社が総会、NECは定款に「医薬」

NEC富士通が24日、定時株主総会を開いた。かつては通信機器や半導体で日本のIT(情報技術)産業をけん引したが、米IT大手の「GAFA」などの台頭で停滞が続く。NECは人工知能(AI)に注力し、定款に「医薬」を加えた。富士通では欧州事業への懸念も聞かれた。

「業績は本当に底を打ったのか」。NECと富士通の株主総会では、業績について株主から厳しい質問が出た。

2社は旧電電公社(現NTT)のファミリー企業として隆盛を誇った。2001年3月期は両社とも5兆4000億円余りの売上高を稼いだ。しかし、米IT大手の台頭やクラウドなど新技術の普及で競争力が弱まった。前期の売上高はNECが3兆円を割り、富士通も4兆円を下回った。売上高営業利益率はNECが2%、富士通が3%台で、大手電機では日立製作所(8%)に劣る。

NECの新野隆社長は総会で「20年3月期はターンアラウンドの年」と述べた。今回の総会では定款を変更し、事業内容に医薬を追加した。患者のがん細胞をAIで調べ、専用のワクチンを作る治療法をフランス企業と共同開発する。

ただ医薬分野は収益化が難しく、成長をけん引できるかは不透明だ。「歴代の経営陣は業績や株価の低迷に責任を取らなかった。今回の計画も本当にできるのか」と話す60代の株主がいた。

富士通の総会では、英国の欧州連合(EU)離脱の影響や欧州事業への懸念について株主から質問が出た。富士通の幹部は「(ブレグジットの対応は)合意なき離脱という最悪の事態を想定して、準備をしている」などと回答した。欧州はリストラを進めているが、思うように採算改善が進まず課題になっている。

富士通はグループ全体でカーナビゲーション事業の売却など構造改革を進めてきた。総会では主力のITサービスを強化する姿勢を強調したが、成長戦略は手探りの印象も否めなかった。

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