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東大を甲子園ボウルへ 東大アメフト部HC森清之(上)

スポーツにおいて東大は弱小扱いされることが多い。だがアメリカンフットボール部はひと味違う。昨季は関東学生連盟の1部下位リーグ、BIG8で6勝1敗の1位に。現行の体制になった2014年以降、初めて上位リーグのTOP8に昇格した。今秋は大学選手権決勝「甲子園ボウル」を目指して早大、法大などの強豪私大と対戦する。

「選手やスタッフが勝って喜んでいるのを後ろから見るのが楽しい」と語る

ヘッドコーチ(HC)として日々、選手と接するのが森清之だ。京大時代に甲子園ボウル、ライスボウルを連覇。卒業後も国内外でコーチを歴任し、社会人Xリーグでも鹿島(現LIXIL)のHCとしてライスボウルを制している。2度の世界選手権で日本代表HCも担った、国内トップの指導者である。

優勝請負人と呼ばれるような勝負に徹するタイプではない。「選手やスタッフ、応援団が勝って喜んでいるのを後ろから見ているのが楽しい」性分。「試合や練習の中で『こんなことを言うようになったのか』といった日々の態度や発言から選手の成長を感じられる方がおもしろい」と話す。

東大が森を招いたのもそんな人柄、考え方に共鳴したからだ。OBでアメフト部を物心両面で支える「一般社団法人東大ウォリアーズクラブ」の代表理事、好本一郎は「OBから選んだ指導者では日本一になれない」と近年の低迷を総括。白羽の矢がたったのが「フットボールの神様のような」森だった。

卒業後につながる人材を育てる

勧誘役を任された現監督の三沢英生も「『試合に勝たせればいいんだろう』というHCとはやりたくなかった」と人選のポイントを明かす。「人格形成、卒業後につながる人材の育成が第一。小手先でなく、フィジカルやファンダメンタルにこだわったプレーを選ぶ。学生の成長にはあの人しかいなかった」

三沢に声をかけられた2016年11月。森もLIXILのHCから次なる道を模索し始めていた。「自分のように、4年間一生懸命フットボールに取り組むような連中のコーチをやりたい。できれば環境の整っていない地方で」と展望を描いていた。その点、東大は打ってつけ。スポーツ推薦がなく、高校の3年間運動していない「帰宅部員」も多い。アメフト未経験から日本一になった森自身の学生時代の記憶が重なった。

まだまだマイナーな競技だからこそ、逆に大学デビューの選手が活躍できる余地がある。鍛え方次第で強いチームができることは身をもって体験してきた。東大がもし勝ったら、そのインパクトは京大以上のものがあると承知している。やりがいを感じてのHC就任だった。(敬称略)

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