2019年8月20日(火)

パレスチナ支援へ「10年で5兆円投資を」 米が新計画

トランプ政権
2019/6/23 4:34 (2019/6/23 7:03更新)
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中東和平を担当するクシュナー米上級顧問は経済支援を通じてパレスチナ側との対話を探っている(20日、ワシントン)=ロイター

中東和平を担当するクシュナー米上級顧問は経済支援を通じてパレスチナ側との対話を探っている(20日、ワシントン)=ロイター

【ワシントン=中村亮】米ホワイトハウスは22日、パレスチナの経済支援計画を発表した。今後10年間で500億ドル(約5兆4000億円)以上の投資を促し、国内総生産(GDP)を倍増させる目標を掲げた。米政権は経済支援をテコにパレスチナ自治政府との和平に向けた対話を目指すが、米国に対してパレスチナ側の不信感は根強く、実現のハードルは高い。

トランプ政権は25~26日、バーレーンの首都マナマでパレスチナの経済支援会合を開く。米国は計画に沿って、各国政府に資金支援を呼びかけ、民間企業とも具体的な投資案件を議論する見通しだ。会合にはサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、エジプト、ヨルダンなどアラブ諸国の政府高官も参加するとみられる。米国からはムニューシン財務長官が出席する予定だ。

米国は「繁栄に向けた平和」と題した支援計画を通じて、今後10年間で100万人分の雇用を創出し、貧困率を半減させるとした。具体的には電力や水道、通信といったインフラ整備に加えて、観光や農業、製造業を支援すると強調した。パレスチナと周辺国の貿易を促進する方針も盛り込んだ。

中東和平案を担当するトランプ大統領の娘婿クシュナー上級顧問は声明で「パレスチナ人はあまりにも長期にわたって(和平に向けた)過去の非効率的な枠組みにとらわれてきた」と指摘。「支援計画は輝かしく繁栄する将来のための枠組みになる」と強調した。

トランプ政権は経済支援をきっかけにパレスチナとの対話を復活させたい考えだ。米国は2017年12月にイスラエルの首都としてエルサレムを承認。イスラエルが占領したゴラン高原の主権を同国に認めた。パレスチナ側は親イスラエル政策を進めるトランプ政権に不信感を強めて、中東和平の仲介役として不適切だとして対話を拒んできた。経済支援を踏まえても対話に応じる可能性は低い。

トランプ政権は経済支援計画を先行させて、政治に関わる懸案について解決策の提示を先送りする。歴代政権が原則としてきたイスラエルとパレスチナの2国家共存や、パレスチナ難民の扱いをめぐる方針は明らかになっていない。イスラエルはヨルダン川西岸での入植活動を加速させる構えも見せており、パレスチナの反発は強まるばかりだ。

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