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人工ふ化ウナギ成魚に成長 完全養殖の商業化へ一歩

水産庁は21日、研究室で人工的にふ化させたウナギの稚魚を出荷できる大きさになるまで商業用の養殖池で育てるのに成功したと発表した。これまで研究室では可能だったが、養殖池でも問題なく育つと確認された。かば焼きに加工しても味や香りに遜色はなく、完全養殖の商業化に一歩近づいた。ただ「人工稚魚」の価格は天然の10倍で、今後は生産コストの低下が課題になる。

現在のウナギ養殖は、河口などで採取した稚魚のシラスウナギを養殖池で育てて出荷している。研究室では人工的な環境で世代を超えた育成に成功しているが、商業用の養殖池で大量生産することをめざしている。

ウナギの生態は謎が多い。特に稚魚はエサのえり好みが激しいなど人工育成のハードルが高い。国立研究開発法人水産研究・教育機構はエサや水槽の改善を通じて一定量の稚魚生産にこぎ着け、昨年度に初めて民間の養殖場に人工稚魚を提供する実証実験に踏み出した。「稚魚の池入れ時に輸送ストレスなどで1割死亡したが、それを除けば従来の稚魚と変わらない養殖結果だった」(協力した鹿児島鰻)という。

今後の課題は量産とコスト削減だ。国内で必要な稚魚は年間1億匹だが、現状では数千匹しか育てられていない。機構は育成期間の短縮や歩留まり向上、自動給餌機械の開発などでコスト削減と量産を目指す。

ニホンウナギは2014年に絶滅危惧種に指定された。シラスウナギは漁獲量が減少しており、今年の国内漁獲量は約3.5トンと前年比6割減と、統計開始以来、最も少なかった2013年も下回った。

全国鰻蒲焼商組合連合会の三田俊介理事長も「完全養殖が実現すればシラスウナギの漁獲に一喜一憂することなく安定価格でかば焼きを提供できる」と、今後の技術開発に期待を寄せる。

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