2019年7月23日(火)

神奈川逃走、容疑者つかめぬ足取り

2019/6/21 20:25
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神奈川県愛川町で実刑が確定した小林誠容疑者(43)が逃走してから21日で丸2日が経過したが、行方は依然分かっていない。自宅からは覚醒剤用とみられる注射器が発見され、薬物の使用の発覚を免れるために逃走した可能性が浮上している。容疑者が立ち寄った形跡がある県内の各市町では学校の休校が続き、影響が広がっている。

 公開された小林誠容疑者の画像(神奈川県警提供)

公開された小林誠容疑者の画像(神奈川県警提供)

小林容疑者が逃走に使った車が乗り捨てられていた神奈川県厚木市。20日に続き21日も小中学校が休校となり、市内では県警の警察官やパトカーが警戒に当たった。警察幹部は「住民生活への影響が大きい。一刻も早く身柄を確保しなければならない」と焦りを募らせる。

事件が起きたのは19日午後1時すぎ。収容状を持って愛川町の自宅を訪れた地検事務官と県警厚木署員の計7人に対し、小林容疑者は「準備するから出て行け」と叫び、台所から包丁を持ち出して振り回した。事務官らを威嚇しながら、駐車場にあった車に乗り込み走り去ったという。

地検などが20日に自宅を家宅捜索したところ、室内からは覚醒剤の使用に用いたとみられる注射器が見つかった。小林容疑者は覚せい剤取締法違反や傷害などの罪で懲役3年8月の実刑判決が2月に確定したが、保釈中に覚醒剤を使った疑いがあるという。県警などは発覚を恐れて逃走したとの見方を強めている。

防犯カメラ映像などによると、車は19日午後5時40分ごろに相模原市内の国道を走行し、午後6時すぎに東名高速道路下り線の大和トンネル(神奈川県大和市)付近で確認された。直後に高速道路を降りたとみられ、午後6時45分ごろ、厚木市内のコンビニエンスストアの防犯カメラが小林容疑者の姿を捉えた。

逃走時は白のTシャツ姿だったが、コンビニに立ち寄った際は黒っぽい服装だった。その約1時間半後の同日午後8時15分ごろには黄色のTシャツ姿で厚木市内の別のコンビニに立ち寄っており、店員らに特定されないように複数回着替えたとみられている。

逃走に使われた車は19日午後11時半ごろ、自宅から7キロ離れた厚木市三田のアパート敷地内で見つかった。小林容疑者は刃物を所持しているとみられるが、20日以降の詳しい足取りは分かっていない。地検は20日、公務執行妨害容疑で逮捕状を取り、県警が全国に指名手配して捜索を急いでいる。

最高検、逃亡対策を検討

最高検は21日、実刑が確定した男の逃走事件を受け、検証チームを立ち上げたと発表した。最高検総務部長らで構成し、保釈後に実刑が確定した人物の収容体制や装備などの実態を調査し、対策を検討する。

裁判所が保釈を幅広く認める傾向が強まる中、実刑判決の確定後、検察が受刑者を出頭させたり、収容したりする事例は少なくない。最高裁によると、被告の保釈率は2001年の11.7%から17年は32.6%と増加。今回の事件のように一審での実刑判決後の再保釈も17年で829人に上るという。

大半は確定後に服役するが、法務省によると、収容前に逃亡した「とん刑者」は18年末時点で全国に26人いる。

東京地検などには逃亡者の収容を担当する「特別執行」の専門部署がある。保釈が認められるケースが増え、「特別執行担当が扱う件数も増えつつある」(検察幹部)。

特別執行担当は「特執(とくしつ)」とも呼ばれ、主に検察事務官で構成。逃亡者の所在調査、収容を担うが、統一的なマニュアルはなく、ある検察職員は「警察官のように本格的な護身術などの訓練を積んでいるわけでもなく、対応には限界がある」と話した。

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