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ファストリ「ZARA」に見劣り 在庫効率に改善余地

2019/6/21 21:00
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GUは東京・原宿に試着専門の新型店を開いた=共同

GUは東京・原宿に試着専門の新型店を開いた=共同

ファーストリテイリングが岐路に立っている。アジア事業が収益源に育ち、2018年8月期まで2年連続で連結純利益が過去最高を更新。時価総額はアパレル世界2位に浮上した。だが、「ZARA(ザラ)」を展開するアパレル最大手のインディテックス(スペイン)はさらに先を行く。追い越すにはこれまでと違う不連続な成長が必要だ。

「まったく新しいステージに入った」。ファストリの柳井正会長兼社長は4月の18年9月~19年2月期決算の説明会で、こう言って胸を張った。

これまで業績は順調だったといっていい。純利益が1000億円を超えた13年8月期から成長が加速。主力のユニクロ事業は18年8月期に海外売上高が国内を超え、19年8月期には同事業の海外営業利益が国内を上回る見通しだ。日本の小売業でここまでグローバル化が進んだのは珍しい。

時価総額(円換算)は17年11月にスウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)を上回り、アパレル世界2位に浮上した。国内でも同時期にセブン&アイ・ホールディングスを完全に逆転し、小売り首位になっている。

しかし、アパレルの巨人、インディテックスを追い越すのは簡単ではない。QUICK・ファクトセットによると、19年1月期の売上高は3兆3823億円とファストリの1.6倍、純利益は4455億円と3倍だ。時価総額は12兆円を超えたピークより減ったものの、約9兆5000億円とファストリを約2兆5千億円上回る。

インディテックスの強みは、最新のトレンド商品を消費者に素早く提供することだ。各国の店舗から集めた売れ筋情報を基に商品を企画。ポルトガルやモロッコなどで生産した商品を物流センターに集め、世界の店舗に短時間で届ける。消費者ニーズを吸い上げて商品化するまでの期間はわずか2~3週間だ。

機動的に生産量や在庫を調整するため、多品種少量の商品を「高速回転」で投入する。在庫処分のセールをほとんどせず、広告宣伝費も抑えている。営業利益率は16%とファストリを5ポイント上回り、豊富なキャッシュフロー(現金収支)を積極投資に振り向けてきた。世界の店舗数は約7500店に上り、売り場面積はこの10年間で倍増した。

インディテックスの「高速回転」を示すのが、棚卸し資産回転率だ。売上高を棚卸し資産の期中平均で割って算出する。回転率が高いほど商品を効率よく売り上げにつなげており、需要変動の大きいアパレルにとって重要な指標だ。

18年度の棚卸し資産回転率はファストリが6.43回(計上基準変更前ベース)なのに対し、インディテックスは9.61回。1年間に商品が9.61回入れ替わっていることを示す。

一方、ファストリはインディテックスとビジネスモデルが異なり、商品で最新トレンドよりもベーシックなデザインや機能性を追求してきた。「価格対比でみた商品価値が高く、差別化につながった」(JPモルガン証券の村田大郎氏)。これが棚卸し資産回転率を低くしている面はある。

ただ、ファストリの棚卸し資産回転率は低下傾向にある。14年8月期の7.08回から、18年8月期は6.43回に下がった。商品供給が顧客ニーズに十分に対応しきれていない可能性がある。ファストリにとっても効率改善は欠かせない。

「無駄なものを作らない、運ばない、売らない」。ファストリの柳井正会長兼社長が目指す「情報製造小売業」の姿だ。「有明プロジェクト」と称し、デジタル技術を活用したサプライチェーン改革に取り組む。商品企画から販売までの情報を一元管理し、需要予測の精度を高めて過剰在庫による値引きや品切れをなくす。このほか子会社のGUが在庫を持たずに済む試着専門の店舗を都内に開設。ネット通販も拡大する方針だ。

ファストリの進めるデジタル戦略はこれまでの延長線上にはない。フロンティア・マネジメントの山手剛人氏は「国内での成功実績が大きかった分、容易に進みにくい面はある」と指摘する。それだけに成功すれば、インディテックスの背中がぐっと近づく。

(鈴木孝太朗)

=おわり

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