2019年7月16日(火)

カリスマなき鴻海に試練 郭氏退任

米中衝突
エレクトロニクス
中国・台湾
2019/6/21 18:30
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株主総会を終え、あいさつする鴻海の郭台銘董事長(右)と次期董事長の劉揚偉氏(21日午後、台湾・新北市)=小林健撮影

株主総会を終え、あいさつする鴻海の郭台銘董事長(右)と次期董事長の劉揚偉氏(21日午後、台湾・新北市)=小林健撮影

【新北=伊原健作、中村元】電子機器の受託製造サービス(EMS)世界最大手、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は21日、カリスマ創業者の郭台銘(テリー・ゴウ)氏が経営トップの董事長を退く人事を決めた。後継トップに就く劉揚偉氏を中心とする集団指導体制に移行する。米中貿易戦争で中国生産を核とする事業モデルが揺らぐなか、新経営陣には難路が待ち受け、シャープとの関係にも影響しそうだ。

鴻海が21日に台湾北部の新北市内で開いた株主総会。終了後に郭氏が会場に姿を現すと株主らから「郭総統!」との声援がわき起こった。郭氏は来年1月の台湾の次期総統選に向け、親中路線の最大野党・国民党からの出馬を目指す。郭氏は同日、「私は鴻海の投資者(株主)でしかなく、経営に干渉することはない」と語り、経営の第一線から退くと表明した。

郭氏が経営トップの董事長から一般の董事(取締役)となり、劉氏が後任に就く。7月1日に発効する。

劉氏はグループの半導体事業を統括してきた。受託生産に依存した成長モデルが行き詰まるなか、半導体など高収益部門を育成する構えだ。

郭氏は1974年に鴻海を創業し、零細の町工場を年間売上高18兆円規模の巨大製造業に育て上げた。中国の巨大工場で電子機器の生産を大量に請け負い、米など世界市場に送り出すモデルを確立。電子機器業界の水平分業をけん引した。

郭氏が経営を退くことで2016年に鴻海が買収したシャープとの関係にも変化が生じそうだ。シャープの戴正呉会長兼社長は今回の総会で鴻海側の董事を兼務することが決まった。戴氏は同日「これまでもシャープは私に任されていた」と、シャープの経営への影響はないと語った。

ただ幹部らの反対を押し切ってシャープ買収を断行した郭氏個人の思いが新執行陣に引き継がれるかは不透明だ。劉氏は11日、「鴻海はシャープを黒字転換させるため多大な支援をしてきた」と語り、将来は「シャープが自ら責任を負わなければならない」と話した。

郭氏は台湾総統選で国民党からの出馬を目指す。同党は7月中旬にも世論調査で公認候補を決める見通しで、高雄市長の韓国瑜氏と接戦になっている。党予備選やその後の総統選本選で敗れれば、郭氏が経営に舞い戻る可能性もある。

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