2019年8月23日(金)

京劇の名優、梅蘭芳来日100年記念の公演・展覧会

文化往来
2019/6/27 6:00
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今年は京劇の名女形・梅蘭芳(メイランファン)(1894~1961)の初来日公演から100年に当たる。再評価の機運が高まり、関連のイベントが相次ぐ。

崑曲で上演される予定の「貞娥刺虎」は、かつて梅蘭芳が米国公演で大喝采を浴びた演目で、長年継承が絶えていた

崑曲で上演される予定の「貞娥刺虎」は、かつて梅蘭芳が米国公演で大喝采を浴びた演目で、長年継承が絶えていた

初来日当時の梅蘭芳は、中国京劇界のアイドル的存在だった。「伝統芸の優れた技術と新しい要素を取り入れる柔軟性を併せ持ち、京劇を中国を代表する演劇に高めた。京劇の近代化の潮流に貢献した」と早稲田大学の平林宣和教授は評価する。日本での成功を足がかりに米国、ソ連などでも公演し、京劇を世界に伝えた。

8月13日・14日にはBunkamuraオーチャードホール(東京・渋谷)で、京劇と、明代の演劇である崑曲(こんきょく)の2本立ての「史依弘プレミアム公演」が開催される。梅蘭芳の代表的な演目「貴妃酔酒(きひすいしゅ)」や、継承が途絶えていた「貞娥刺虎(ていがしこ)」など隠れた名作を京劇のトップ女優・史依弘が選び、主演を務める。史はNPO法人京劇中心のインタビューに「公演は梅蘭芳氏への敬意を表すことが目的。その功績に思いを寄せてもらいたい」と語った。明治大学の加藤徹教授は「梅蘭芳の演技には与謝野晶子や芥川龍之介らも刺激を受け、作品や随筆に反映させた」と、舞台芸術の枠を超え、当時の文化人に与えた影響を指摘する。

京劇「百花贈剣」で史依弘は百花公主(王女)役を演じる

京劇「百花贈剣」で史依弘は百花公主(王女)役を演じる

東京(7月8~12日、中国文化センター)、大阪(8月6~11日、府立江之子島文化芸術創造センター)、神戸(8月24~30日、中華会館)では美術展を開催。1919年に公演が行われた3都市で、北京・梅蘭芳記念館所蔵の資料のほか梅蘭芳を描いた水墨画などを展示する。水墨画は京劇の舞台美術監督を長年務めた画家、李文培氏によるものだ。李氏は60年に会った梅蘭芳を「上品で豊かな心を持った方だった」と振り返り、「貴妃酔酒」の妖艶な楊貴妃、「牡丹亭(ぼたんてい)」の繊細優美な杜麗娘など、初来日公演の梅蘭芳を紙上の演劇として再現した。

(桂星子)

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