2019年8月18日(日)

欧州トップ人事、独仏譲らず EU首脳、30日再協議

ドイツ政局
2019/6/21 14:56
保存
共有
印刷
その他

【ブリュッセル=石川潤】欧州連合(EU)は21日終幕した首脳会議で、10月末に任期が切れるユンケル欧州委員長らの後任を議論した。ドイツ人候補を推すメルケル独首相と反対するマクロン仏大統領は互いに譲らず、30日に再び協議することにした。マクロン氏にはメルケル氏ら中道右派が主導するこれまでの政治のあり方を変えたいとの思惑があり、落としどころはまだ見えない。

次期欧州トップ選びはメルケル独首相(左)とマクロン仏大統領の合意が条件になる=ロイター

「ドイツ人だから反対しているわけではない。メルケル氏が候補なら賛成している」。マクロン氏は21日未明、記者団にこう話した。次期委員長の有力候補は欧州議会の最大会派、欧州人民党(EPP)のドイツ人、ウェーバー氏だが、国籍ではなく資質に問題があると当てこすった。

次期委員長はまずEU首脳会議が選び、欧州議会で賛成多数を得られれば決定する。ウェーバー氏は今回の首脳会議で必要な支持を得られず、議会でも多数派を形成できていない。メルケル氏も「難しい状況にあるのは明らかだ」と認めた。

独仏の対立の裏には、今後の欧州政治を巡る方針の違いがある。欧州政治はドイツのコール元首相らにさかのぼる中道右派勢力が強い影響力を保ち続けてきた。この仕組みを守りたいメルケル氏に対し、マクロン氏は既存政党による政治を終わらせ、EU改革を大胆に進めたい立場だ。

マクロン氏にとって、欧州議会の最大会派から欧州委員長を自動的に選ぶという仕組みは受け入れがたい。次期トップは人物本位で選ぶべきだと強く主張している。

メルケル氏は21日、「フランスの意向に反する決定は下したくないし、フランスもそうだろう」と語り、粘り強く妥協を探る考えを示した。トゥスクEU大統領は21日午後、30日の再協議へ「議会側との話し合いを今日から始める」と語った。メルケル氏が所属する最大会派のEPPはあくまでウェーバー氏を推すか、マクロン氏の理解を得やすい別の候補を選ぶかの選択を迫られる。

EUは欧州委員長のほか、秋に任期が切れるドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、トゥスクEU大統領の後任も同時に選ぶ方針だ。次期委員長にウェーバー氏が選ばれなければ、次期ECB総裁にワイトマン独連銀総裁が就く可能性が高まるとの見方が出ている。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。