日本語教育推進法が成立 国・企業など学習支援責務に

2019/6/21 13:31
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国内で暮らす外国人への日本語教育の充実を促す「日本語教育推進法」が21日、参院本会議で可決、成立した。国や自治体には日本語教育を進める責務、企業には雇用する外国人に教育機会を提供するよう努める責務があると明記している。外国人材の受け入れを拡大する改正出入国管理法が4月に施行されるなか、日本社会への定着を後押しする。

東京都中央区で開かれたボランティアによる日本語教室

東京都中央区で開かれたボランティアによる日本語教室

日本語教育推進法は議員立法。外国人の児童生徒や留学生、就労者らに対し、日本語教育を受ける機会を最大限確保することを基本理念とした。

国や自治体には日本語教育の推進に関する施策を定め、実行する責務があると規定する。学校での指導を充実させるための教員の配置、地域の日本語教室で教える人材の育成や教材開発の支援などが必要だとした。

企業には雇用する外国人やその家族に対し、日本語教育の機会の提供といった支援に努める責務があると定めた。

同法制定の背景にあるのは、日本語教育へのニーズの高まりだ。2018年末時点の在留外国人数は約273万人で過去最多を記録。文化庁によると日本語学習者は17年度で約24万人で、5年前から72%増えた。一方で日本語教師は約4万人で同期間中で約15%増にとどまり、教育体制の整備は遅れが目立つ。

今月には東京福祉大で学ぶ1600人余の留学生の所在が分からなくなっていることが判明した。受け入れ能力を超えた留学生を抱え、一部は日本語を習得できないまま不法残留となった。

日本語教育推進法はこうした現状を変える基盤となることが期待される。同法成立を受けて、文部科学省や外務省など関係機関は「日本語教育推進会議」を立ち上げる。日本語を学ぶ側、教える側双方の当事者と語学教育の専門家から意見を聴いたうえで、教育環境の整備に向けた具体的な取り組みを決める。

同法の早期成立を求める署名活動を行ってきた武蔵野大の神吉宇一准教授(日本語教育)は「日本語教育を進める法的な裏付けができた意義は大きい。自治体も関連事業に予算をつけやすくなる。日本語教師の雇用の安定や待遇改善につながることも期待できる」と話している。

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