2019年9月16日(月)

日銀総裁会見の要旨

2019/6/20 20:46
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問 今回の決定内容について。

答 長短金利操作の下でこれまでの金融市場調節方針を維持することを決定した。長期国債以外の資産の買い入れについてもこれまでの買い入れ方針を継続する。

問 2%の物価目標の位置付けに変化は。

答 物価の安定という日銀の使命を果たすためには、その実現を目指すことが必要と考えていることに変わりはない。単に物価だけが上がればよいと考えているわけではなく、企業収益や賃金の増加とともに物価上昇率が緩やかに高まる好循環を作り出すことが重要だ。現在の強力な金融緩和を粘り強く続けることが適当と考えている。

問 世界経済の変調を欧米の中銀が警戒している。

答 世界経済の下方リスクが強まっているのは事実で、リスクを十分点検して政策を調整していく。一方、米連邦準備理事会(FRB)は米国経済の見通しを上方修正しており、中国も経済対策を打っている。今年後半から来年にかけて世界経済が成長を加速していくというメインシナリオは変わっていない。物価安定目標の実現に向けたモメンタム(勢い)が損なわれるようなことがあれば、ちゅうちょなく追加緩和を検討する。

問 金融機関の体力も低下し、追加緩和の手段は限られるのでは。

答 金融機関は充実した資本基盤を備え、現時点では低金利環境の継続によって金融仲介機能が停滞方向に向かうリスクは大きくない。長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みは実質金利を引き下げ、経済活動の改善に寄与していく。

追加緩和の手段としては短期政策金利の引き下げ、長期金利目標の引き下げ、資産買い入れの拡大、マネタリーベースの拡大ペースの加速などが考えられ、状況に応じて適切な方法を検討する。

問 追加緩和の場合の副作用対策は。

答 副作用が小さくなり、ネットで緩和の効果が最も大きくなるような措置を検討する。

問 低下する長期金利が金融市場調節方針の範囲を超えることは許容されるのか。

答 長期金利の水準については、ゼロ%程度から上下にある程度変動しうる。変動幅についておおむねプラスマイナス0.1%の倍程度を念頭に置いている。金利変動の具体的な範囲を過度に厳格にとらえる必要はない。ある程度弾力的に対応することが必要だ。

問 10月に消費増税が実施されれば景気減速のリスクがある。

答 現在の日銀の景気見通しは、予定通り消費税率が引き上げられることを前提に作られている。同時に、時々の消費者心理や雇用・所得環境によって増税が経済におよぼす影響が変化しうるとも指摘しており、少なくとも2020年春ごろまで現在の極めて低い長短金利の水準を維持すると想定している。

問 上場投資信託(ETF)保有を通じて、日銀が事実上の大株主になっている会社がある。議決権行使の空洞化などの懸念は。

答 株式市場全体を平均的に代表するETFの買い入れは株式市場全体のリスクプレミアムの上昇を防ぐために実施している。日銀の保有株は市場全体の4.8%にとどまっており、個別の株価やコーポレートガバナンスに特別な影響を与えていることはない。議決権はスチュワードシップ・コード(機関投資家向けの行動指針)を受け入れた投資信託の委託会社が行使するものだ。

問 欧米で政治が中央銀行に介入するケースが目立つ。日銀も増税対策で政治に協力を求められる可能性がある。

答 米国でも欧州でも中央銀行法や条約などで中銀の独立性は担保されている。イールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)は政府が国債を増発した場合でも金利が上がらないようにしているので、インプリシット(暗黙的)に協調的な行動がとられることになっている。

問 政府の国債増発を助けているということか。

答 YCCはあくまでも金融政策として行っており財政ファイナンスを助ける趣旨ではない。ただ長期金利が上がることは防止されるという意味で、結果的に財政政策と金融政策のポリシーミックスになりうる。

問 欧米中銀が利下げして日銀が現状維持なら相対的にタカ派にみられる。為替への影響は。

答 日々の為替レートを決めるものは何かということにはいろいろな説がある。最近のように資本フローが株式その他を含めた形で行われている時に、特定の短期か長期の金利格差で為替が決まると考える方は少なくなっている。もう少し幅広い要素で決まる。

FRBの公表文が出たことでドルの為替レートに影響したが、これは昨日今日の話。全体をみるとドルが下がってユーロや円など他の通貨が上がっている。いずれにせよ、為替レートが経済物価に影響することはありうるので注視はしているが、金融政策を為替レートにひも付けて動かすということは全くない。

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