2019年7月23日(火)

FRB、「予防的利下げ」検討 市場・政権の圧力強く

北米
2019/6/20 19:59
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【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は早期に利下げする検討に入った。貿易戦争の景気減速リスクに先手を打ち、政策金利を小幅に下げる「予防的利下げ」(クラリダ副議長)が浮上している。金融市場は7月末の次回会合での利下げを織り込み、トランプ大統領も早期の緩和を要求する。市場と政権の圧力は強く、FRBの金融緩和への転換が早まる可能性がある。

「世界景気の力強さに懸念が生じている。多くのメンバーが金融緩和の必然性が高まっていると考えている」。19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利の据え置きを決めたが、その後に記者会見したパウエル議長は利下げに転じる可能性を強く示唆した。

FRBが利下げを決断すれば、金融危機時だった2008年12月以来だ。景気先行指標の米製造業景況感指数が2年7カ月ぶりの低水準に落ち込むなど、貿易戦争で企業心理の悪化が目立っており、利下げ観測が急浮上してきた。物価上昇率も伸び悩む。4月は前年同月比1.5%にとどまり、6カ月連続で目標の2%を下回ったままだ。

FRBが早期の利下げを視野に入れるのは、中央銀行の独立を無視するトランプ氏の圧力も背景にありそうだ。20年の再選を目指すトランプ氏は、景気を底上げするため「1%程度の利下げ」を公然と求める。

パウエル氏は22年に任期が切れるが、20年にトランプ氏が再選すれば大統領により忠実な人材が後任となる可能性がある。FRBは組織防衛も念頭に置きながら政策判断せざるをえない。

ただ、FRBは深刻な景気悪化を想定しているわけではない。視野に入れるのは、景気減速を未然に回避するため小幅に政策金利を下げる予防的な利下げだ。FOMC参加者が今回想定する政策金利の引き下げ幅は、20年末までで最大0.5%にとどまる。本格的な利下げ局面ではなく、景気悪化を事前に防ぐ実験的な緩和措置となりそうだ。

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