2019年8月26日(月)

米朝協議の継続呼びかけ 習氏が初訪朝

北朝鮮
習政権
2019/6/20 17:34
保存
共有
印刷
その他

【北京=羽田野主、ソウル=恩地洋介】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は20日、北朝鮮を公式訪問し、金正恩(キム・ジョンウン)委員長と会談した。中国国営中央テレビ(CCTV)によると、習氏は「北朝鮮が非核化の努力をしているのを積極的に評価する」と表明した。金正恩委員長はトランプ米政権の対応に不満を漏らしたが、習氏は非核化を巡る米朝協議を継続するように促した。

 中国中央テレビが20日放映した、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(右)と歓迎式典に臨む中国の習近平国家主席(共同)

中国中央テレビが20日放映した、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(右)と歓迎式典に臨む中国の習近平国家主席(共同)

中国国家主席の訪朝は2005年10月の胡錦濤(フー・ジンタオ)氏以来14年ぶり。習氏は13年に主席就任後で初めての訪問となる。

習氏は会談で「朝鮮半島の問題は非常に複雑で敏感だ」と指摘した。そのうえで「我々は戦略的で長期的な角度から朝鮮半島の情勢を正確に把握し、平和と安定を守らなくてはいけない」と話し、中朝関係の強化を呼びかけた。

金正恩委員長は「北朝鮮は朝鮮半島の緊張状態を避けるために多くの措置をとってきたが、関係国のよい反応は得られていない」と発言。北朝鮮の完全非核化を求めるトランプ米政権に不満を漏らした。

習氏は「国際社会は米朝が協議を続けて成果を出すことをいつも希望している」と述べ、米国と改めて交渉のテーブルに着くように促した。

今回の中朝首脳会談は、大阪で6月28~29日に開く20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の直前に開かれた。米国に向けて、中朝両国の伝統的な友好関係を誇示する狙いもあった。

G20に合わせて米中首脳会談を開く予定で、習氏はトランプ氏に訪朝の結果を説明する見通し。仲介役として、米朝の対話を促したい考えだ。

首脳会談の最大の焦点は非核化に向けた協議だった。北朝鮮はかねてより核施設などを段階的に廃棄する「段階的非核化」を主張してきた。非核化の進み具合に応じて国連安全保障理事会の決議に基づく経済制裁を緩めるように求めている。

一方でトランプ政権は完全な非核化が実現するまで経済制裁の緩和には応じない構え。米朝の隔たりは大きい。

習氏には朝鮮半島情勢に積極的に関わる姿勢を示すことで、非核化交渉が停滞する米朝間の対話を促し、自らの存在感を高めたいとの思惑がある。

習指導部にとって北朝鮮問題は対米けん制になると同時に、米中協調の呼び水にもなる有力な外交カードだ。北朝鮮の「後ろ盾」をアピールし、対立する米中貿易問題を巡る交渉で有利な立場に立つ狙いがある。

習氏は20日午前、専用機で北朝鮮の首都・平壌に到着した。金氏は、李雪主夫人とともに平壌国際空港で習氏を出迎えて握手を交わした。中国メディアは、金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長も出迎えたと伝えた。

両首脳はオープンカーに乗り空港から移動。CCTVによると北朝鮮は街頭などに25万人を動員して習氏を迎えた。

習氏には彭麗媛夫人が同行。中国外交統括役の楊潔篪共産党政治局員、王毅外相、何立峰国家発展改革委員会主任らが随行している。21日まで滞在する。

今年は中朝国交樹立70年の節目にあたり、金正恩委員長は習主席を大規模な歓迎式や夕食会などでもてなす予定だ。習氏は中国人民志願軍の朝鮮戦争参戦(1950年)をたたえる平壌の「朝中友誼(ゆうぎ)塔」も訪れる。

ただ、習氏の1泊2日の平壌の滞在は、過去に訪朝した中国主席と比べると短い。2000年代に訪朝した江沢民(ジアン・ズォーミン)、胡錦濤両氏はいずれも2泊3日だった。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。