2019年7月16日(火)

連絡厳禁「山ごもり休暇」 ロックオン、引き継ぎ徹底
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2019/6/24 7:00
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組織力高める引き継ぎ

IT(情報技術)企業のロックオンは会社との接触を一切禁じる独自の長期休暇を導入した。その名も「山ごもり休暇」だ。社員のリフレッシュなどが目的だが長期休暇に備え、引き継ぎを徹底する。結果として誰が休んでも円滑に業務が進む、しなやかな組織を作り上げた。

長期休暇には確実な引き継ぎが欠かせない(大阪市)

長期休暇には確実な引き継ぎが欠かせない(大阪市)

同社はグループ会社を合わせた全社員約100人に年1回、土日を含め連続9日間の休暇取得を義務づけている。休みの理由は問わず別途、育児休業制度などもある。山ごもり中はメールや電話、SNS(交流サイト)などでの連絡を禁じ会社との関わりを断つ。

「人が少ない時期に楽しめた」。カスタマーサクセス本部の垣中啓志課長は今春、5歳の長男の春休みに合わせ山ごもり休暇を取った。複合リゾート施設のネスタリゾート神戸(兵庫県三木市)で業務を気にすることなく、家族と一緒に動物との触れ合いやカヌーなどを満喫した。

垣中さんは休みに備え、課員と手軽に仕事を引き継げるように工夫する。顧客の要望をどう反映するか書き残し、チーム全員で使うコミュニケーションツールも一つに限定。常に互いの状況を分かるようにした。

この引き継ぎが休暇制度を運用する鍵だ。社内には独自の引き継ぎ書があり、資料の場所やシステムエラーが起きた際の対応手順などを書き込む。現在の仕事の進捗状況や緊急連絡先、海外旅行の際の渡航先も記す。新入社員が取得する際は上長が引き継ぎ書の内容を確かめる。

制度開始は2011年。当時の従業員は今の半分以下の50人程度だった。会社の成長に併せて業務量も増えるなか休みづらいと、社員から休暇制度の充実を求める声が挙がっていた。

会社も一人でも欠けると仕事が回らない状況は経営リスクと捉えた。特定の人にノウハウがたまりすぎると、長期休暇を取る人や退職者が出れば経営に支障を来しかねないからだ。

「年1回の引き継ぎにより業務ノウハウを蓄え、社員を柔軟に配置転換できるようになった」(人事課の小川香保里氏)と会社も波及効果を実感する。休み方改革を組織運営の進化につなげたようだ。

(黒田弁慶)

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