5月工作機械受注、中国向け31%減 反動減響く
日本工作機械工業会(日工会、東京・港)が20日発表した5月の工作機械受注額(確報値)によると、中国向けの受注額は前年同月比31.7%減の168億円で15カ月連続で前年割れとなった。マイナス幅は4月の48.7%から縮小した。米中貿易摩擦が深刻化しているが、中国政府の景気対策などの効果もあり、各社にとって見極めが厳しい状況が続いている。

外需の約2割を占める中国向けは変動が大きく、全体の増減に色濃く出る。前年が好況だった反動減の影響もある。
日工会の天野正義専務理事は同日の記者会見で、「中国の投資がかなり慎重になっているとの声が聞かれる。ただ、中国政府の景気対策に対して下期にかけて期待感が出ており、一部には効果も出ている」と述べた。
米中貿易摩擦の余波を受けて、欧州需要が弱含みとなった。5月の受注額は24.8%減の146億円。ドイツなどで中国向けの設備投資需要が減少しているという。
5月の全体の受注総額は27.3%減の1085億円で、4月の33.4%減から減少率は縮小した。マイナスは8カ月連続。内訳では内需が32.1%減の427億円だった。通商問題による影響が懸念されたが「大型連休による営業日を勘案すればまずまず健闘した」(日工会)としている。
また日工会の調査によると、会員企業のうち19年7~9月の受注が「増加する」と答えた会社の割合から「減少する」と答えた会社の割合を差し引いた判断指数(DI)は、マイナス23.6で、4~6月に比べて12.5ポイント悪化した。米中貿易摩擦に対する警戒感が強まっている。
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