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サンウルブズ、成熟できず 代表とのはざまで苦戦

ラグビーW杯
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2019/6/21 6:30
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スーパーラグビー(SR)、サンウルブズの今季は厳しいものだった。9月開幕のワールドカップ(W杯)に臨む日本代表との兼ね合いで陣容は手薄になり、最下位に沈んだ。2021年にSRから除外されることも決定。見通しは明るくないが、日本のラグビー界のためには来季の戦いも変わらぬ重要性を持つことになる。

指揮官の「矛盾」が、今季の苦しい立ち位置を物語っていた。ジャガーズ(アルゼンチン)とのシーズン最終戦に敗れた2日後の6月17日。トニー・ブラウン・ヘッドコーチ(HC)は「タフなシーズンだった」と総括したうえで、こう語った。

「サンウルブズはあくまで(日本代表の)W杯の準備のために選手を起用するチームだ」。設立の目的は確かに代表強化だったが、ここまで言い切るとプロクラブの存在意義を否定することになってしまう。

サンウルブズのブラウンHCは今季を「タフなシーズンだった」と総括した=共同

サンウルブズのブラウンHCは今季を「タフなシーズンだった」と総括した=共同

開幕前、ブラウンHCは正反対の発言をしていた。「全試合で勝ちにいく。タイトルを狙うくらいの気持ちでいきたい。サンウルブズは代表のためのツールではない」。2つの発言の整合性を問うと、HCは苦笑いして答えた。「選手の入れ替えは、自分のコントロール外だ」

「入れ替え」とは、サンウルブズと日本代表の間の選手の移動を指す。ジェイミー・ジョセフ代表HCは2月から代表候補による別チームを編成。サンウルブズと別に強化試合を行ってきた。

当初は代表の主力もSRである程度の実戦を積む方向で、開幕前に発表されたサンウルブズのメンバーにはそのほとんどが名を連ねた。

しかし、故障者の続出もあってジョセフHCは軌道修正。結局、WTB福岡堅樹やナンバー8姫野和樹ら代表組10人は、サンウルブズに合流することもないままシーズンを終えた。他の代表の主力も、数試合だけサンウルブズの軒先を借りては去って行くの繰り返し。

「選手が出たり入ったりで難しく」

その結果、今季のサンウルブズの登録選手は70人と例年より10人以上増え、参入4年目で最多に膨らんだ。出場した選手だけでも59人いて、他のチームより大幅に多い。

これでは選手間の連係を磨き、集団として成熟するというのは難しい。日本代表のコーチを兼ねるブラウンHCも、シーズンの半分でサンウルブズを離れていたからなおさらだ。

大黒柱のSOヘイデン・パーカーは指摘する。「シーズンの序盤はいいパフォーマンスだったが、(4月以降に)毎週、選手が出たり入ったりするようになると難しくなった」

その言葉通り、シーズン序盤はむしろ好調だった。3月には強豪のチーフス(ニュージーランド)、ワラタス(オーストラリア)からアウェーで白星。過去3年間はホームでの勝利しかなかったから快挙だった。

サンウルブズは今季2勝14敗で、スーパーラグビーの最下位に沈んだ=共同

サンウルブズは今季2勝14敗で、スーパーラグビーの最下位に沈んだ=共同

その後にメンバー入れ替えの影響が出る。連動性が必要なスクラム、ラインアウトのセットプレーは崩壊。チームの規律も乱れ、焦りから反則が相次いだ。10分間の一時退場となるイエローカードはリーグ最多の10枚。過去3シーズンは平均4.7枚だったから、これだけでも戦況はかなり苦しくなる。1年目から毎年1つずつ増えてきた白星は今年、初めて減少。2勝14敗の最下位に沈んだ。

成績不振に加え、多くの主力が合流しない異常なシーズンだったのに、その理由が発信される機会も少なかった。ファンはなおさら置いてけぼりをくらった感じだろう。当初の方針が変わった段階で、ブラウンHCやチームのフロントから丁寧な説明がほしいところだった。

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