2019年8月21日(水)

東郷証券幹部ら4人逮捕 損失補填疑いで地検特捜部

2019/6/20 11:52 (2019/6/20 15:54更新)
保存
共有
印刷
その他

東郷証券(東京・港)が外国為替証拠金(FX)取引で生じた顧客の損失を穴埋めしたとして、東京地検特捜部は20日、同社取締役の林泰宏容疑者(58)と、大阪市の商品先物会社「さくらインベスト」社長の宮井智浩容疑者(48)ら4人を金融商品取引法違反(損失補填)容疑で逮捕した。同社を経由して顧客側に補填された疑いがあり、特捜部は経緯を調べる。

ほかに逮捕されたのは、東郷証券代表取締役、宇佐美麻己容疑者(46)と同社顧問、上村昌也容疑者(37)。証券会社の損失補填が刑事事件として立件されるのは約20年ぶり。

関係者によると、林容疑者は東郷証券の実質経営者とされる。事前の任意聴取に「損失補填を黙認していた」との趣旨の説明をする一方、積極的な関与は否定したという。

逮捕容疑は、2016年7月~19年1月、東郷証券の顧客8人に計6900万円の損失補填をした疑い。

顧客4人には東郷証券が約6200万円を直接補填したが、残る4人にはさくらインベストに口座を開設させたうえで、差金決済取引(CFD)の利益に偽装して約700万円を支払った疑いがあるという。

東郷証券本社があるビルの前に集まった報道陣(20日午前、東京都港区)

東郷証券本社があるビルの前に集まった報道陣(20日午前、東京都港区)

損失補填を受けた顧客は少なくとも10人以上おり、補填総額は億単位に上る見通し。顧客とのトラブル回避や取引継続のために補填したとみられ、補填原資はシステム会社への架空の外部委託費から捻出されたという。

一部の顧客だけが損失を免れることは市場の公正性や健全性を損なうことから、金商法は顧客に生じた損失を穴埋めすることを原則禁止。違反すれば3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、または併科となる。

東郷証券を巡っては、証券取引等監視委員会が2019年2月、東郷証券本社など関係先を強制調査。その後、特捜部と監視委が詳しい経緯を調べていた。

東郷証券は02年設立の中小証券でFX取引を中心に近年、急激に業績を伸ばし、18年3月期の営業収益は約35億8千万円、営業利益は約8億2千万円だった。

【関連記事】「球界出身の経営者」 東郷証券幹部は元ドラフト1位

損失補填の刑事事件化は1998年以来、約20年ぶり。国内では90~91年、大手証券会社を巡る損失補填が相次ぎ発覚し、社会問題化。自主報告によると、補填額は大手・準大手17社で総額1720億円に上ったが、旧証券取引法には損失補填を禁止する明文規定がなく、91年の法改正で禁止規定が追加された。

97~98年に証券大手4社が総会屋グループの損失を補填していたことが再び発覚し、証券会社幹部らが多数、逮捕・起訴された。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。