2019年7月22日(月)

筑波大・茨城県・つくば市など 移動の利便性向上へ実験

経済
北関東・信越
科学&新技術
2019/6/19 20:04
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筑波大学や茨城県、つくば市などは2019年度、先端技術を活用して都市や地域課題を解決する国のスマートシティ関連事業に提案が採択された。産学官が連携し、大学や病院に移動するバスに顔認証システムによる乗降時決済を導入するなど実証実験を進め、移動の利便性を高める「MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)」の早期実現を目指す。

燃料電池バスなどを活用し、移動の利便性を高める「MaaS」の早期実現を目指す(茨城県つくば市)

採択されたのは国の「スマートシティモデル事業」と「新モビリティサービス推進事業」。筑波大がトヨタ自動車と共同設立した未来社会工学開発研究センターや鹿島とKDDINEC日立製作所三菱電機、関東鉄道、サイバーダイン、茨城県、つくば市などが協議会を設立する。

トヨタの内山田竹志会長が理事長を務め、科学技術政策などへの提言を行う一般社団法人、産業競争力懇談会(COCN、東京・千代田)が19年2月にまとめた「地域社会の次世代自動車交通基盤」の最終報告がもととなっている。筑波大とつくば駅、研究学園駅周辺などを実証実験の対象区域として選んだ。

つくば市には大学や研究機関が集中し、研究者や学生が多く住むなど革新技術への社会受容性が高い。自動車への依存度が高く、高水準の道路が整備されている。総延長48キロメートルにおよぶ自転車・歩行者専用道もある。地下には共同溝もあり、水素供給にも活用できる。

代表的な実証実験は「キャンパスMaaS」だ。学内バスの乗降時の顔認証システムによるキャッシュレス決済や、人々の移動実態を匿名化して調査するスマートフォン向けアプリの開発、乗車・待機時間を最小化するバス運行の最適化システムの設計などを行う。

「医療MaaS」ではつくば駅と筑波大付属病院間の移動に水素燃料電池を搭載したシャトルバスを使い、乗降時の顔認証により病院受付や診療費会計処理のサービスの統合を狙う。

交通弱者が安全に移動できるように利用者の生体情報をリアルタイムで監視しながら、運転を制御する一人乗りの移動機器も実証する。サイバーダインの山海嘉之社長は「今は自動車事故が起きても運転者の問題なのか、車の問題なのか区別できない。我々の技術が入れば生体情報を監視できる」と話す。

つくば市が現在進めている電動車いすの自動運転関連では、信号の情報を利用者に伝え、安全な通行を支援する交通インフラの実証も実施する。

交通などに関するビッグデータは筑波大のスーパーコンピューターで分析。人工知能(AI)も活用して新たな課題解決への取り組みを進める。

COCNの最終報告では、筑波大や参画する企業、関係自治体、関係府省が連携し、「つくばモデル」を早期に実現させ、25年に大阪で開く国際博覧会(大阪・関西万博)での反映を視野に入れているという。

(つくば支局長 浅沼直樹)

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